99「配達」
・現代怪談話・伝聞
郵便関連に勤める男性から聞いた話。
勤めると言っても、いわゆる配達サービスを
している業者の一つに勤務しているのであり、
またそういった業者はいったん郵便局に
集配された荷物を、下請けとして仕分けして
それぞれの住所へ配達するのだそうだ。
「たいてい、運転手一人・配達人一人で
コンビを組みます。
車に人がいれば一時停車という状態で、
違反キップを切られる確率が減りますから」
そこでとある集合住宅に来た彼は、届け先が
不在だった荷物を、そこの管理人に預けようと
したのだが、
なぜか預かってもらえず、不在通知を届け先に
入れて、荷物を持って車に戻ったのだという。
「そこで車にいた相棒が、『いや、あそこの
管理人さんはいつも預かってくれるだろ?』
って言って二人で改めて向かったんです。
そうしたらすごく怯えまくっている
管理人さんがいて―――」
そこで先ほどの自分とのやり取りを聞いたの
だが、どうも管理人が虫の居所が悪かったのか、
悪態をついて預かるのを断ったのだという。
ただ、彼にはその記憶がまったく無く……
「自分が暴れたとか怒鳴ったとか、
そういうんじゃなかったらしいんですけどね。
ただ何があったか、怯えまくってほとんど
聞けなかったんです」
『らしい』というのは結局、その管理人が失礼な
態度を取った事自体は謝ってくれたのだが―――
自分がそれに対し何をしたのかは、震えていて
結局教えてもらえなかった。
「その時届けようとした荷物に、何か関係して
いたんですかね」
その荷物は片仮名で、『イハイ』と書いて
あったという。
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