84「明確」
・明瞭な記録について
お寺で修行している知り合いの話。
闇語り26話「捜査」で―――
まれに『わかる』警察関係者や役所の人間が
お寺に来る、という話があったが、
「公的機関でそういう記録って、もし本当に
撮れたりしてしまった場合、どうなるん
でしょうか」
彼が師にそう質問すると、
「どうってなあ。普通に保存・記録管理される
だけだと思うぞ」
身も蓋も無い答えが返って来たが同僚の一人が、
「いや、でも……
そういうところって公式には認めていない
わけですよね? 心霊とか。
それが記録されてしまったら」
扱いに困るのではないか、的な言い方で
なおも突っ込んで聞いてみたところ、
「記録はあくまでも記録だしな。
機械の不調とかバグ、もしくは何らかの
『科学的要因』によってそう映っただけ―――
となって終わりだろうよ」
何せ、非科学的な事は認められない、
認めていない機関なので……
そう『処理』されて終わるだけなのだという。
「ただまあ、中にいる人間は別だろうけどな」
「と言いますと?」
同僚全員の代弁をするかのように、知り合いが
師匠に聞き返すと、
「鑑定とか長年やっている連中は、『そういう』
ものを何度か見る機会があるからか―――
逆に慣れちまうというか目が肥える事があるん
だとよ」
お寺に相談しに来た治安関係者が語っていた事、
と前置きした上で、
「ベテランとか年配者がそういうものを見て、
『こんなにハッキリ写っているのは、
珍しいなあ』
そう言った時が一番怖かったそうだ」
師匠の言葉に、同僚たちは肌寒いというように
腕をこすった。
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