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百怪  作者: アンミン
怪異
281/300

81「怪力」

・現代怪談話・伝聞


とある短大生の話。


彼女は高校時代、バレー部に入っていた。

体育館で演劇部や他のスポーツ部の練習のため、

よく片付けや準備に回っていたという。


「そこそこ大きな高校でしたから。

 公立でしたけど設備もかなり力を入れていて、

 機械仕掛けでイスを壇上だんじょうの下に収納したりする

 装置もあったんです」


しかし、その中にイスを入れるのは手動であり、

また詰めていかなければならない。

詰め込むのが適当だと、入りきらない場合も

あったという。


「ある時、他の人と一緒にイスの詰め込み作業を

 やっていたんですけど……

 最初に誰かが隙間を開けて詰めたせいか、

 入りきらないイスが十個くらい

 出ちゃったんです」


こうなると最初からやり直すか、もしくは力業で

無理やり押して詰めるしかない。

しかし見た感じすでに数十個も入っていて、

それを押すのは不可能に思えた。


「そこへ、ある男子が通りがかったんです」


『入りきらないの?』と聞いてきた彼に、

事情を説明すると―――

『じゃあ詰めればいいのでは?』と言って

きたので、それは無理じゃないかなあ、と

みんなで笑っていると、


「イスを詰めた一番先の端に手をかけて、

 『えい』と彼が声をかけたかと思うと、

 ガシャッ、って詰まったんです」


みんながポカンとしている間に、彼の姿は

消えてしまい……

とにかく作業を終わらせたという。


「後で先生に話したら、『いや無理だろう』

 って。

 でも私1人だけ見たわけでもなかったし、

 みんなで手伝ってくれた男子を探したん

 ですけど」


結局彼は見つからず―――

卒業まで、その男子と会う事は無かった。


「今でもその時の仲間と一緒になると、

 彼の話が出ますよ」


そう言って彼女は笑った。



( ・ω・)最後まで読んでくださり

ありがとうございます!

『百怪』は日曜日の午前1時更新です。

深夜のお供にどうぞ。


みなさまのブックマーク・評価・感想を

お待ちしております。

それが何よりのモチベーションアップとなります。


(;・∀・)カクヨムでも書いています。

こちらもよろしくお願いします。


【ゲーセンダンジョン繁盛記】【完結】

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