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百怪  作者: アンミン
怪異
276/300

76「実例」

・実際にある物について。


お寺で修行している知り合いの話。


よくある怪談話の一つに、

『何度捨てても戻って来る物』という話がある。


それは人形だったり、服や小物だったり―――

個人の持ち物から店で扱う商品など、パターンも

いくつかあるようで、


「まあ個人の物ならともかく、店で売る商品で

 そんな事あるんですかね」


彼によると、売買した時の差額で稼げるの

だから、むしろそういう商品は店に取って

ありがたいのでは、と修行仲間の同僚と話して

いると、


「いくら中古品と言っても限度があるだろう」


そう言って師が会話に入って来た。


いわく、在庫を抱えるのだって維持費がかかるし、

さっさと売り払おうと安値にしても……

物によっては怪しまれてしまうので、むしろ

迷惑である事が多いのだという。


「それに、何度も売っては戻って来る商品って、

 絶対何かあるってわかっちまうだろう」


いくら安くたって限度というものがある。

『自分は気にしない』『安ければいい』という

客もいるにはいるだろうが―――

そんな購入者がそうそういるかどうかだ。


「じゃあ、商品としてはそんな物はあり得ない、

 という事でしょうか」


「いや、そうとも限らん」


たいていそういう因果のある物は処分に困る。

すると一番いいのは誰かに『押し付ける』事。


「下請けとか、力関係の弱い取引先とか……

 関係上断れないところに無理やり置いていく、

 とかな」


「確かにまあありそうですけど」


そこで弟子の一人が片手を挙げて、


「でもそういう物こそ、お寺や神社に

 持っていくんじゃ」


「おう、これから引き取りに行くところだ。

 誰かついて来るか?」


そう聞き返した師に、全員が無言で首を

左右に振ったという。


( ・ω・)最後まで読んでくださり

ありがとうございます!

『百怪』は日曜日の午前1時更新です。

深夜のお供にどうぞ。


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(;・∀・)カクヨムでも書いています。

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【ゲーセンダンジョン繁盛記】【完結】

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