62「カスタマイズ」
・能力を発揮する時について
お寺で修行している知り合いの話。
「よくお祓いとか霊能力って聞きますけど」
修行で身につくものもあるだろうが―――
そもそも仏教の修行はそぎ落とすものであり、
何かを身につける類のものではない。
それでも『対応』出来る人はいるわけで、
何か違いがあるのかと、同僚たちとの間で
議論になったところ、
「向き、不向きはあると思うが」
そこで彼らの師が話に割り込んできた。
「と言いますと―――」
そこで、その手の事を信じている前提の話だが、
と前置きした上で、
「それぞれに特化したヤツ、というのはいた。
獣憑き専門とか、対人や場所、先祖や妖?
というのも」
そこで知り合いが、
『何か違いがあるんでしょうか?』
と師に重ねて質問すると、
「どう言えばいいのかわからんが……
『その時』になったら変わる、らしい。
俺は見た事が無いが、例えば獣憑き専門の
場合―――
体が変化するんだそうだ」
どういうふうに? とみんなが聞き返すと、
「顔つきとか腕、指、爪がな。
獣のそれに近くなるんだと。
下手すると体格まで変わると」
師によると、さらにその師から聞いた話に
なるが、そういった『力』を使う時、
極端に偏るのだという。
「何でもなあ。
狂暴な犬や獣のようになるか、
それとも神様の使いのように穏健な
人格になるか、だいたいその二通りに
別れるそうだ」
ちなみに師は典型的な獣タイプになるとの事。
それを聞いた弟子たちはうんうんとうなずき、
師匠はかなり機嫌を悪くしたという。
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