59「吉兆」
・現代怪談話・伝聞
飲食店に勤める三十代の男性から聞いた話。
彼がある同業者のヘルプに入り、遅くなって
しまったのでそのままその店に泊まる事になった。
すると夢かそれとも寝ている間か、頭の中に
鐘のような音が響き、目が覚めた。
ただそれだけの事だったのでまた寝入ってしまい、
朝起きてから朝食時にその店の知人にその事を
話してみると、
「そこ、東北なんだけどね。
猟師やその身内にそれが聞こえると、
大物を仕留めたり大量に獲物が入るという
吉兆なんだとさ」
案の定、と言おうか―――
その店の知り合いが後日、山で仕留めたという
大きな猪の肉を卸してくれた。
彼もそのおすそ分けをもらったのだが、
「ただ自分は東京の出身で……
もちろんその猟師の身内どころか知り合いでも
無いし」
『何でお前にそれが聞こえたんだろうなあ』
そう、仲間内から不思議がられたという。
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