49「認める」
・現代怪談話・伝聞
地方の女性警察官から聞いた話。
「心霊や祟りとかは、公務には『無い』ものとして
扱われているんですが……」
非科学的なものや物的証拠が無いものは、
『無いもの』として対応するしかない。
そこで、よくある怪談として―――
走っている車の上に老婆とか何かが乗っていて、
他の車がクラクションなどで停車させるも、
誰も乗っていない、というオチのものがある。
「そういうのを、パトカーが見つけたりすると
どうなりますか?」
その問いに彼女は、んー、と両目を閉じて
うつむき、
「一応は停車させます。
何も無ければ、『確認のため停車して
もらいました』で終わりです」
何も無いのに停車させていいんですか?
と聞き返すと、
「現場判断に任されていますので……
現認、と言ってそちらが優先されるんです。
警察官だって勘違い見間違いは日常茶飯事です。
人間なのですから―――」
職務質問などはあくまでも確認のためだし、
調べてみて何の罪も犯していなかったら
警官が有罪、では防犯もへったくれも無い。
「だからこそ現場の判断が優先され、
『見間違い』であっても『現認』では
そうでしたと……
それで警官の立場は一応守られている
わけです」
なるほど、とうなずいていると、
「でもまあ、そういう場合―――
相手が本当に『何も無かった』という
事であれば、ですけどね」
表情を変えずに、彼女はそのままお茶に
口をつけた。
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