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百怪  作者: アンミン
怪異
248/300

48「千里眼」

・遠くを見る能力について

お寺で修行している知り合いの話。


よく夢などで、今まで行った事の無い土地を

見たり、また現実で夢で見た場所へ行きあたる

話はよくある。


「幽体離脱とか、そういうものなんでしょうか」


魂だけ体から出て、どこかへ行っている―――

それなら『見て来た』記憶があるのはわかる。


そこへちょうど通りかかった師に、彼らは話を

振ってみた。


「魂かどうかはわからんが……

 何かの拍子で、意識が外に出ている事は

 あるかもな」


とある昔話で―――

どこかの家の近く、石の上で蛇が日向ぼっこを

していたという。


その家の者が木の棒で蛇を叩くと、蛇は驚いて

逃げ出し、どこかへ去ってしまった。


その翌日、家へ客がやって来て、

『俺はただ寝ていただけなのに、どうして

棒なんかで殴ったんだ』と文句を言う。


その蛇は、その時抜け出ていた男の魂だったの

だなあ、という話。


「意識が蛇になって出ていたのでしょうか?」


「さてな。

 似たような話で、蝶という場合もあるし、

 鳥というのも聞いた事がある。


 人によって意識ドローンというか……

 外へ飛ばす形態とかが異なっているんじゃ

 ねぇか?」


師の話に興味が沸いた知り合いは、さらに

質問してみる事にした。


「そういう話で、最も奇妙というか―――

 印象の強い話ってありますか?」


すると師は両腕を組んで、


「20年くらい前か。

 ある人が、知人の部屋の中を言い当てたんだ

 そうだ。


 彼はその知人の部屋に入った事は無かった

 そうなんだが」


全員がその話に聞き入っていると、師は続けて、


「何でもなあ。

 小さなメイドの人形……

 フィギュアっていうのか?


 ある日、それが―――

 トコトコと知人の部屋の中を

 歩き回っていたそうだよ」


その人はいわゆるオタクであり、フィギュアも

何体か持っていて、所持していた人形を何体か

知人に見せたところ、『あ、これだ』と言われた

という。


「そいつ曰く―――

 『じゃあ俺はその時〇〇ちゃんだったのか。

 惜しいなあ』

 だってさ」


師匠の話に、全員がどんな顔をしていいやら

わからなくなったという。



( ・ω・)最後まで読んでくださり

ありがとうございます!

『百怪』は日曜日の午前1時更新です。

深夜のお供にどうぞ。


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お待ちしております。

それが何よりのモチベーションアップとなります。


(;・∀・)カクヨムでも書いています。

こちらもよろしくお願いします。


【ゲーセンダンジョン繁盛記】

https://kakuyomu.jp/works/16817330649291247894

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