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百怪  作者: アンミン
怪異
237/300

37「パン」

・現代怪談話・伝聞


「不思議な話、ですか」


翻訳業をしている三十代の女性から聞いた話。


「自分は書籍だけですからいいんですけど、

 翻訳作業ってすごく疲れるんですよ。


 リアルタイムで通訳する人なんて、いつも

 アメを舐めて糖分補給しているという

 話もあるくらい」


彼女も例にもれず、作業も佳境かきょうに入ると―――

菓子パンやチョコレートなどの甘い物を

準備しておいて、それを食べていた。


「それで、はて? と思う事が何度か

 あったんですよ」


いつの間にか、用意しておいた菓子パンや

甘味が無くなっていたという。


自分で食べて忘れたかな、とも思ったが、

それなら口の中に甘さなり匂いが残っている

はずで―――


「でもぜんぜんそんな事無いし。

 一仕事終わった後、どこかに落ちていて

 腐ったりしたらたまらないと、全力で

 探し回りました」


だがそれらは一向に見つからず、狭い部屋の中

見つからないという事も考えられず……


結局諦めたのだが、そんな事が何度も

あったのだという。


「今では無意識に食べちゃったのかあ、と

 自分で自分を納得させていますけどね」


ただ、そんな事があったのは今の場所に引っ越す

前の部屋で―――

今の部屋になってからは、不思議な事は一度も

起きていないとの事。


次の住人からも、何かしらもらえていたら

いいなあ、そう彼女はつぶやいた。



( ・ω・)最後まで読んでくださり

ありがとうございます!

『百怪』は日曜日の午前1時更新です。

深夜のお供にどうぞ。


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