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百怪  作者: アンミン
怪異
231/300

31「浮かぶ」

・現代怪談話・伝聞


「不思議な話、ですか」


今年二児の父になるという自営業の男性から

聞いた話。


「これといって無いんですが」


そう話し始めてくれたが、それは子供の頃の

出来事で―――

なぜか彼は『空を飛べる』と思い込んでいた

時期があったという。


「誰にでもある妄想というか、憧れというか……

 そんなものだと思っていました」


だが、彼は数回『飛んだ』記憶があるという。


「飛んだというか、浮かんだって感じですけど。

 公園の入口とかに車止めがあるでしょ?


 あれを鉄棒のようにして遊んでいて―――

 なぜかふと、車止めから車止めへと、

 地面に足を着けないで移動してみたく

 なったんです」


その距離は三メートルほどあり、まだ

小学校にも行ってなかった年の子供に

そんな事が出来るはずもないのだが……


なぜか『スー』と、水の中で浮かんで

いるかのように、移動したのだという。


「今にして思えば錯覚というか、

 記憶の改ざんというか……

 あり得ない事なのですが」


まあ、子供特有の記憶違いというか思い込み

なのではと言うと、そこで彼は少しうなり、


「今年6才になる息子が―――

 よく車止めを鉄棒のようにして遊んでいるって、

 妻から聞いたんです。


 だからまあ、もしかしたら……と」


似るのはほどほどにして欲しいなあ。

そう言って彼は頭をかいた。



( ・ω・)最後まで読んでくださり

ありがとうございます!

『百怪』は日曜日の午前1時更新です。

深夜のお供にどうぞ。


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