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百怪  作者: アンミン
怪異
227/300

27「宿泊」

・現代怪談話・伝聞


ある会社員の人から聞いた話。


商談でとある地方へ出張し、その日は地元の

ホテルへ泊まって翌日帰る事にした。


夜半、午前1時過ぎ頃だろうか。

部屋のドアがノックされ、扉を開けて対応すると

ホテルマンらしき男が立っており、


「申し訳ございませんが、部屋を替えて頂く事は

 出来ますか?

 こちらの手違いで、団体様をこのフロアへ

 ご案内してしまい……

 騒がしくなると思われますので」


すでに半分寝入っていた事もあり、自分は別に

構わないと言ったのだが―――

相手が申し訳なさそうにしているのと、

寝ぼけてあまり思考が働いていないのとで、

そのまま従う事にした。


出張なので荷物はさほど無く、ルームウェアを

着たまま案内された部屋へ移動し、そこで

ベッドに倒れ込んで眠ってしまった。


翌朝、彼は外が騒がしいので目が覚め、

廊下に出てみると―――

『〇〇様でしょうか?』と、ちょうどそこにいた

従業員が話しかけてきて、


いったい何があったのかを聞いてみると、

彼はモーニングコールを頼んでいたのだが、

かけても反応が無く、部屋で倒れているのでは

ないかと、慌てて部屋を開けたらしい。


しかし入るとそこは無人で……

いったいどうしたのかとホテル総出で

探していたとの事。


そこで彼は、昨夜部屋を替えるようホテルマンから

頼まれていた事を話すと―――

部屋替えなど聞いていないし、深夜に団体客など

来ていないという。


「後から聞いてみれば、自分でもおかしな話だと

 思うんだけどね。

 その時は寝ぼけて頭が働かなかったから……」


替えてもらった部屋は別の階にあり、荷物も

ちゃんとあった。

ただホテル側は、誰がどうやってその鍵を

持ち出したのか―――

最後まで首をひねっていた。


「その部屋は元より、ホテルにも別に……

 いわくとか事故とか、怖い話は無かったみたい

 なんだけどね」


まあ商談後で良かったよ、そう言って彼は

頭をかいた。



( ・ω・)最後まで読んでくださり

ありがとうございます!

『百怪』は日曜日の午前1時更新です。

深夜のお供にどうぞ。


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