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百怪  作者: アンミン
怪異
221/300

21「素潜り」

・怪異にまつわる雑談・雑考


今ではネットでも、漁師さんのyoutuberや

海に潜る動画は珍しくない。


モリを持って、獲物を探して水中に潜る。

そういった漁で生活する60代の人から聞いた話。


「まあそれだけってわけじゃねぇが……

 今でも週に何度か、素潜りで捕まえているよ」


基本的に獲物は貝類が多く、魚を捕まえる事が

出来るのは『運が良ければ』との事。


身一つで出来るのが素潜り漁の利点であり、

どこにどんな獲物がいるのかを覚えれば、

効率は良いのだという。


そんなある日、彼は―――

やけに『沈む場所』に出くわした。


「海ってのはね、黙ってても浮くんだよ。

 潜る方がよっぽど体力が要る。

 それがある時、すごく楽に『沈む』場所が

 あったんだ」


そこは食用の珍しい高級な貝などがあり……

海底で彼は、息の続く限りそれを袋に詰めていた。


ン? とふと彼は光の反射に気付き―――

貝の下から、女性用のブレスレッドを発見。

それも袋に入れて、海上へ帰還したという。


それを陸の買い取り業者へ引き取ってもらい、

ブレスレッドは遺失物として警察へ届け出た。


「周囲に遺体とかは無かったし、そもそも

 素人が泳いで来られる場所じゃねぇしな」


ほどなくして警察から、所有者が見つかったとの

連絡があった。


所有者はちょうどこの地に来ていた観光客で……

ここに新婚旅行に来た時、それを妻が落とし、

その妻が亡くなった後、思い出をしのんで旅行に

来ていたのだという。


「まあ、俺としちゃ―――

 タダ働きじゃなかっただけでも良かったけどな」


そういうと、その浅黒い日焼けした顔で、彼は

カラカラと笑った。



( ・ω・)最後まで読んでくださり

ありがとうございます!

『百怪』は日曜日の午前1時更新です。

深夜のお供にどうぞ。


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