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百怪  作者: アンミン
怪異
215/300

15「意識」

・現代怪談話・伝聞


とある大学生の話。


彼はフィールドワークを課題に出され―――

その題材に、地元の山を選んだという。


そこで、山で狩猟をしていた初老の男性に

道案内を頼み、その山についていろいろと

説明してもらった。


彼はもう引退しているが、ここで獲物が獲れた、

そこはよくイノシシが出たと、懐かしそうに

語ってくれたという。


そんな彼がある場所に来た時、急に立ち止まって

先のくぼみを指差し、


「あそこから先は、山の主が住んでいる。


 特にあの窪みは、絶対近付いちゃならねえ」


その直径3メートルほどの窪みを見て、

彼はふと口を開き、


「ああ、確かにあそこなら―――

 卵を産みやすそうですものね」


「……卵?」


怪訝けげんな顔をして、案内人が聞き返した。


「え? だって蛇は卵を産むでしょう?」


「俺は、山の主が蛇だなんて―――

 一言も言ってないぞ?」


彼らはそのまましばらく無言でいたが、

案内人の方から沈黙を破り、


「……帰るぞ」


それからすぐ下山し、その間彼らはほとんど

口を聞かなかったという。


「何で山の主が蛇だと思ったんだろうなあ」


彼自身、未だにわからないという。


( ・ω・)最後まで読んでくださり

ありがとうございます!

『百怪』は日曜日の午前1時更新です。

深夜のお供にどうぞ。


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