02「逆に言えば」
・運の良し悪しについて
お寺で修行している知り合いの話。
彼の同僚に、小学生の頃からの友人で、
よく骨折を繰り返す男がいたという。
基本的には転んだり、木登りから落ちたり、
また交通事故にあったりと―――
事件性は無いのだが、彼によると記憶だけで
5、6回は骨折→入院を経験していた。
「しかし、それだけ危ない目にあっても、
助かっているって事は―――」
「まあ、何らかの加護とか、守ろうとする
何かがいるのかも」
同僚たちと話していると、同室に師がいたのだが、
ただ黙って聞いていたという。
そこで師に話を振ってみると、
「ん~……まあ、なあ」
と、師にしては歯切れが悪い答えで―――
ただの偶然ですかね、と問うと首を横に振って、
「守ろうとしているのは確かだろうが……
危険から守っての事なのか、
それとも、『楽に死なせてなるものか』と
骨折程度で止めているのか……
どちらとも取れるからなあ」
その解釈に、全員が無言になったという。
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