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百怪  作者: アンミン
闇語り
187/300

87「駅」【挿絵あり】

・異界について。


お寺で修行している知り合いの話。


ネットで話されている都市伝説に―――

電車に乗っていると、いつの間にか知らない駅に

到着してしまう。

その駅で降りると、元の世界に帰れなくなる、

と……


闇語り34話「異世界」でも、裏世界というか

この世の場所ではないものについての話は

あったが、


「場所が近付いてくるとか、いつの間にか

 『そちら側』へ行ってしまう、という事は

 あるんでしょうか」


彼が同僚とその事について言葉を交わして

いると、師が部屋に入ってきた。


彼らはその話を師にも振ってみたのだが、


「いつも乗っている電車で、か?」


聞き返してくる師に、その怪談というか

都市伝説について説明した。すると―――


「条件的に、合ってしまう……

 という事は考えられるな」


師の話によると、電車の中は居眠りというか、

うたた寝してしまう事も多い。


言ってみれば『心ここにあらず』という状態に

なってしまっている―――

しかもその間、電車は動き続けている。


そこである地点に入ってしまった時に、

あるチャンネルというか、『繋がって』

しまうのではないか、と。


「簡単……というほどではないにしろ、

 何も知らない人が、そういう状態になる事が

 あるんでしょうか」


彼がたずねると、師は腕を組んで考え込み、


「そもそも、昔は長距離をずっと移動し続ける

 手段なんてなかったからな。


 そこに来て今は―――

 逢魔が時とか、節分のような季節の変わり目、

 立春立夏立秋立冬で陰と陽が対立して邪気が

 生じる日……

 それで人々が出歩くのを控えるなんて事も無い。


 その土地に入ってはいけない日とかも、

 全部無視だろ。

 そりゃ何千人かに一人くらい、条件が

 揃ってしまう場合があるんじゃねえか」


忘れたりすたれたりしても、それは人間の都合で

あって―――

無くなっていないモンもあるからな、

そう師は付け加えた。





挿絵(By みてみん)

( ・ω・)最後まで読んでくださり

ありがとうございます!

『百怪』は日曜日の午前1時更新です。

深夜のお供にどうぞ。


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