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百怪  作者: アンミン
闇語り
175/300

75「資格」

・相応しさについて


お寺で修行している知り合いの話。


生兵法なまびょうほうは大怪我のもと』という言葉があるが、

多少かじった程度の知識や、覚えたての方法で

トラブルに首を突っ込むものほど、危険な物は

ないという。


彼らの師匠もよく彼やその同僚をたしなめて

いるが―――

困るのは何の修行もどの師も持たず、個人的に

いろいろとやってしまう人がいるらしい。


「昔から本とか調べようがあるけど、

 今はネットでポンポン情報が出回って

 いるんだよなあ」


もちろん、そうそう『本物』の情報は出回って

いないそうだが……

ある程度のヒントや断片的な情報を元に、

正確な位置まで近付いてしまう事が

あるのだという。


「適当に、やれ除霊だ占いだで止まってくれりゃ

 いいんだが―――

 ちょっと持ち上げられると図に乗るアホもいる。


 後戻り出来なくなってからじゃ遅いんだが、

 そうなるとたいてい手遅れだ」


「それは……

 手に負えない、対処し切れないものに

 ぶつかってしまう、という事でしょうか?」


彼が恐る恐る師にたずねると、


「巻き込まれるのならともかく……

 率先してそういう事をしているとな。

 『言い訳』が出来なくなる」


「言い訳……ですか?」


彼を始め、同僚たちも耳を傾けていると、


「何て言ったらいいのかな……


 要は、『お前はそういうヤツなんだな』

 ってあちらが認めてしまった場合だ。

 そうなるともはや見逃してはもらえん」


彼らが意味が呑み込めていない顔をしていたのか、

師は続けて


「まぁ何だ……

 例えばあちこちにケンカ売りまくる

 バカがいたとして……


 そいつが格闘家やスジ者に会った時―――

 『実はぼく一般人です』

 『素人なんです』

 なんて言い訳が通ると思うか? って話だ」


『触らぬ神に祟りなし』―――

自分から突っこんでいく間抜けは知らんし

救いようがない、そう言って師は眉間に

シワを寄せた。


( ・ω・)最後まで読んでくださり

ありがとうございます!

『百怪』は日曜日の午前1時更新です。

深夜のお供にどうぞ。

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