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百怪  作者: アンミン
闇語り
146/300

46「無意識」【挿絵あり】

・意図せずにある力について


お寺で修行している知り合いの話。


かつて人外との『血』についての話があったが、

(闇語り16話「混血」参照)

そういうものはどこまで因縁というか、

関わりがあるのだろう、という話になった。


同僚と彼で議論していると、彼らの師が

通りかかった。

そこでみんなは師にその事についてたずねて

みたという。


「そういや、一度だけあったなぁ」


師が思い出しながら話してくれたところ、

こんな事があったのだという。


ある若い女性と中年男性が寺をたずねて

きたそうなのだが―――

ちょうどそこにいた外国人の牧師さんが、

怒鳴り始めた。


「え? 外国人の、それもキリスト教ですよね?」


「いつの時代の人間なんだよ。

 宗教討論なんざ、それこそ江戸時代になる前から

 やってたぞ」


話を元に戻し、どうしてその牧師が怒って

いたのかというと―――


何とか怒っているのをなだめて通訳の人に

説明してもらったところ……

『影が見えた』という。


「影、ですか?」


「わからん。

 通訳の人は、デビルだのコボルトだの、

 説明に苦しんでいたが」


話を要約すると、男性は不動産屋の店長、

女性はかつてそこの客だったそうであり、

男の方にかなりの問題があった。


「とにかくまあ、賃貸とかだと客を見下して、

 特に若い女性や気弱な客だと極端に態度が

 悪くなるんだそうだ」


女性はいわばその『被害者』であった

そうなのだが―――

彼女には『自分に理不尽な事をした人間は

不幸になる』という事が今までもあったそうで、


ある時、町でフラフラになっている店長を発見、

それでどうにか出来ないか近くの宗教施設である

お寺まで引っ張ってきた、との事らしい。


「その女性の方に『何か』があったんですか?」


「牧師の話だとな。

 どうも彼女の何代か前の先祖に外国人の血が

 入っていて、さらにそれに『よくない存在』

 の血が混ざっていたのだろうと」


彼女に危害を加えた相手に不幸が襲い掛かるのは、

仲間だと思って“ガード”していたのだろうと。

だから彼女が許そうがガマンしようが―――

何の関係も無い、という事だった。


「ま、素人だと思って舐めてかかったら、

 バックにヤ○ザがいたようなモン。

 “虎の尾”を踏んじまったワケだ」


人でも何でも、うかつに手を出すのは危険だ。

裏でどことどうつながっているのか、

わからんからな。


そう師が締めくくったところで―――

全員がうなずいた。





挿絵(By みてみん)

( ・ω・)最後まで読んでくださり

ありがとうございます!

『百怪』は日曜日の午前1時更新です。

深夜のお供にどうぞ。

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