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百怪  作者: アンミン
闇語り
145/300

45「認識」【挿絵あり】

・把握について


お寺で修行している知り合いの話。


『知らなければ無かった事と同じ』という

言葉がある。


闇語り13「正邪」や、17「えにし」でも

あった話だが―――

『認識』すればある程度の対応や方法が

可能だという。


「しかし、認識するとしてもどうすれば」


彼らが話していると、


「まず最初に、『知る』って事だな」


その話に師匠が入ってきた。


「それは、霊の存在とかあの世とか―――」


「それでもまあ……

 知ってて尚、拒否する連中もいるから」


知識としてあるものの―――

『そんな事あるはずが無い』

『あり得ない』

そう考えてしまうとどうにもならないという。


「信じているだけでも、結構な力が出せる

 ものなんだけどな」


そこで、師は自分の師匠の話をしてくれたという。


彼が若い頃―――

まだ仏道に入って間もない頃だが、引っ越しをして

こんな体験をしたらしい。


夜眠っていると違和感を覚え、目を開けると

髪の長い女性が彼の上にまたがっていた。


その目は血走り、口元は笑っていて、

金縛りのように身動き出来ない彼の首を

絞めていたという。


突然の怪談話にみんなが戸惑うも、


「そ、それで……

 どうなったんですか?」


「頭にきたんで、足をつかんで壁へ

 叩きつけたんだそうだ」


『幽霊なら大丈夫だろ』という考えで行った

そうで―――

全員が『ええ……』と沈黙していると、


「そのまま壁に消えたそうだが―――

 それ以来出て来なくなったと。


 ま、そういう存在を『知っている』、

 俺の師匠の前に出てきたのが間違いだと

 思うよ」


それは『知っている』『知らない』という

次元の話ではないのでは……


彼を含めそれは誰も口に出さず、後はその

師匠への質問が集中したという。





挿絵(By みてみん)

( ・ω・)最後まで読んでくださり

ありがとうございます!

『百怪』は日曜日の午前1時更新です。

深夜のお供にどうぞ。

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