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百怪  作者: アンミン
闇語り
144/300

44「転機」【挿絵あり】

・モテ期について。


お寺で修行している知り合いの話。


誰が言ったか、『人生にモテ期は3回ある』

という説があるそうだが―――

何か、きっかけやその転機になる事はあるの

だろうか、という話になった。


そこへ檀家の一人の老人が通りかかり、

話に参加したところ―――

『うーん』と複雑そうな顔になって、こんな話を

始めた。


「自分の祖父の話ですがのう」


彼の祖父―――

というからには、もう何十年も昔の話なの

だろうが、とある土地で猟師をしていたの

だという。


行ける場所なら山と言わず平地と言わず、

獲物を求めてあちこちに行っていた

らしいのだが、


「ある森の中で、こう……

 鳥のような女の人を見かけたと」


それは背中に羽が生えている天使のような

ものではなく、手が羽のようになった

女性だったという。


全員が、ゲームや漫画に出て来る『ハーピー』を

思い浮かべたが、それは口には出さず―――


話としては『彼女』がまだ若かった祖父に

微笑みかけ、それで驚いて逃げてしまった、

ただそれだけだった。


しかしその後、そのせいかおかげかわからないが、

極端に女性にモテるようになったという。

だが、その頃祖父はすでに既婚者であり、

トラブルの元にしかならなかったとか。


その老人が帰った後、彼らの師にその話を

してみる事にした。


「いったい、何の意味があったんでしょうねえ」


「意味か―――」


師はボリボリと頭をかくと、


「……その祖父が気に入ったんなら、

 いつでも見つけられるように、とか?」


それとも、もしかしたら―――

それで祖父が女性トラブルで独身に

なってくれたら……


段々と笑えなくなり、微妙な空気になったところで

師は話を中断し―――

誰からともなく、話はお開きになったという。





挿絵(By みてみん)

( ・ω・)最後まで読んでくださり

ありがとうございます!

『百怪』は日曜日の午前1時更新です。

深夜のお供にどうぞ。

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