26「捜査」【挿絵あり】
・公共の心霊の扱いについて。
お寺で修行している知り合いの話。
よくTVで心霊捜査とか、心霊術師? に頼って
事件が解決したとかの話があるが―――
ああいうのって、本当に警察や行政が相談しに
来るのだろうか?
と、彼と同僚と話し合っていた。
「お前ら、何年この寺にいるんだ?
警察も役所の人間も来た事ないだろう」
師が話に割って入ってくるなり、そう言った。
「呼ばれたりはしないんですか?」
「そんなものに警察が頼っちゃオシマイだろうが」
と、身も蓋も無い返しが来た。
「ただ―――
カンの鋭いヤツはいる。
俺のところには来た事は無いが、
『わかる』人間はいるって話だ」
そういう人間が相談に来たり―――
個人的に、という名目で意見を聞きに来たり
するのだという。
「まあでも、たいていは時効だったり……
自分に折り合いを付けるため、という意味合いが
強いかな」
それを聞くと一同が神妙にうなづいた。
師は続けて、
「それと―――」
「……?? それと?」
全員が師に注目すると、師はボリボリと頭をかいて、
「行政関係はな、宗教絡みの予算は下りねえんだよ」
世知辛いな……とその場にいた全員が思ったそうだ。





