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百怪  作者: アンミン
闇語り
125/300

25「姿形」【挿絵あり】

・記憶について。


お寺で修行している知り合いの話。


「幽霊に足が無い」と言われるのは、円山応挙まるやまおうきょ

絵からと言われているが―――

海外では基本的に足があるわけで、実際の霊は

どうなのか、という話になった。


「足はともかく、ぼやけるというのはあると思う」


彼と同僚たちの話だったのだが、そばで聞いていた

師がぼそりとつぶやくと、全員の視線がそちらに

集まった。


「ぼやける、と言いますと?」


「姿だって何だって―――

 記憶というのは薄れていくものだろう。


 自分の姿なんて、いつでも鏡を見ている

 ナルシストでも無い限り、忘れていくモンだ」


よく輪郭りんかくがぼやける、という表現があるが……

細かいところまで正確に思い出せるかどうかと

なると―――


確かにその通りだ、とみんなでうなずき合っていたが、

その中の一人が疑問を呈した。


「ですが、戦国時代とか、鎧武者の霊とかも

 聞きますよね?」


「そういうのは『崩れる』からなあ」


どういう事かと聞くと、死んだ時の姿がすでに

ボロボロであった場合―――

さらに劣化が進む事があるのだという。


「結局は『記憶』に引っ張られるらしいからな。

 人の腐りようとか崩れようを知っていたら……

 って事らしい」


そして師が離れた後―――

彼と同僚で、コスプレイヤーってどうなるんだろう?

という話で盛り上がったという。





挿絵(By みてみん)

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