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百怪  作者: アンミン
闇語り
124/300

24「功徳」【挿絵あり】

・修行について。


お寺で修行している知り合いの話。


そもそも仏教にもいわゆる『超能力』的なものは

あるのだが、それは他人の心を読み取るとか、

前世を知るとか―――


少なくとも仏教伝来以前から幽霊はいたわけで、

それに特化したものは無いらしい。


「そもそも仏教の修行っていうのは、何かを

 身につけるためじゃなく、そぎ落とすためって

 いう方が近い」


彼の師が弟子たちに語り始めたところによると、

欲や怒りや煩悩―――

もともと持っている本能的な部分に至るまで、

捨て去るのが本質なのだという。


「まあアニメやマンガで、法力だの霊能力だの

 間違ったイメージがあるからかも知れないが……

 本来は世捨て人って意味合いが強いからな。


 『人を救う力を身に着けたいです』

 『特別な力が欲しいです』

 そういう連中にはまず向かん」


徳を積みたければ募金でも何でもすればいいし、

ボランティアでも何でも人助けは出来る。

要は利己的の逆、利他的に基づくものなら

功徳は積める。

師は弟子たちにそうたしなめるように言った。


「だから俺のようなクソ坊主やどこぞの教祖に

 寄付したって、徳なんざ積めんぞ」


そう言って彼の師は意地悪そうに笑ったという。





挿絵(By みてみん)

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