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百怪  作者: アンミン
闇語り
123/300

23「イメージトレーニング」【挿絵あり】

・訓練について。



お寺で修行している知り合いの話。


よく霊感とか霊視の話があるが、それはいったい

どのようなものなのか、という話を同僚としていた。


「そんなものは知らん」


と、師匠がその話に入ってきた。


「でも霊が見えるとか感じる人って、

 よくTVとかに出てますよね」


すると師匠は首を横に振り、ああいうのを全部

否定するつもりは無いが、あまりいい事だとも

思えないという。


「わかる、なら理解出来るんだがな。

 そもそも説明出来るシロモノじゃないだろうし」


この世のことわりではないから、

どうとでも言えるわけで……

と前置きした上で、


「ただ、人間は訓練次第で特化出来るからなあ」


それは何です? と彼が問うと、


「仏教の修行とかではなく、合理的にそれを知ろうと

 トレーニングしたヤツがいたんだ」


師の話によると、イメージトレーニングでそれを

行った人がいるらしく―――

何でも自分の周囲の空気を水に見立て、さらに部屋を

水で満たされた水槽と想定したのだという。


「それでさ、水って何か動けば揺れるだろ?

 それを感じ取られるように、何日もそのイメトレを

 やったらしい」


「はあ……それでその人は?」


すると彼の師は、フー、と一息吐いて、


「何つーか、常に何らかの気配を感じるように

 なっちまったようでな。

 衰弱した状態で発見された。

 今じゃ、睡眠薬が手放せないとよ」


過ぎたるは猶及なおおよばざるが如し、だよなあ……

師がつぶやくと、その場にいた一同が彼も含め

うなずいたという。





挿絵(By みてみん)

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