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百怪  作者: アンミン
闇語り
120/300

20「味方」【挿絵あり】

・相談に関して


お寺で修行している知り合いの話。


ある日、彼が道場に来ると師とコンタクトが

取れなかった。

お寺に来た人の相談に乗っているらしく、

月に数件~十数件あるが、そのタイミングが

合ってしまうのは珍しかった。


一時間ほどで相談は終わり、こちらの部屋に現れた

師の顔は少し赤くなっていたという。


「相談でしたか」


「ん」


師が無口、もしくは言葉少なめなのは怒っている

時だと、彼は長年の付き合いで心得ていた。

そしてその相談の内容も見当がついた。


「遺産争いでな。

 最初は口が重かったが、相当人の心が無い事を

 していた」


酒を一気に飲むように、まだ熱いはずのお茶を

ぐいっと流し込む。


「ああ、それで……」


「恨まれて当然の事をしておきながら、

 いざ祟られると助けてくれとよ。

 まったく」


師の場合、逆恨みや因縁などは進んで対応するが、

自業自得と判断した時は追い返してしまう。

(他はどうだか知らないが)


「法律だの何だのは生きている人間限定なんだ。

 ましてや感情はどうにもならん。

 まずは誠心誠意謝ってから話持ってこいってんだ」


その上でなら動くが、たいていそういう人間に限って

反省が無かったり、被害者面をしていたりするから

性質が悪いという。


「……可哀想なのは、

 ああいうのを親や先祖に持ってしまう事だな。

 当人なら見殺しにするんだけどなあ」


彼の師はそう言いながら、お茶請けのせんべいを

乱暴にかみ砕いた。





挿絵(By みてみん)

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