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百怪  作者: アンミン
闇語り
119/300

19「集団」【挿絵あり】

・個人・集団について


お寺で修行している知り合いの話。


ゲームの世界でも、対戦は個人戦や集団戦があるが、

この世ならざる存在も、そう行動する事があるのか

どうか―――

それが同僚との話題に上り、彼と一緒に師に

聞いてみたという。


「ん? そりゃ普通にあるぞ」


拍子抜けするほど、普通に答えられた。

そういうものなんですか? と彼がさらに

たずねると、


「だって元は生きていた人間だろう。

 耳なし芳一にも、平家の亡霊が集団で出て来るし、

 船幽霊だって集団だろ?」


「あー、柄杓ひしゃくを寄越せー、とかいうの……」


確かに、と彼が納得していると、師は難しい

顔付きになり、


「まあ、厄介さというか、質が違うのはあるが」


「?? それはどういう……」


彼は問い直すと、師はフー、とため息を付いて、


「団体と、御一行様の違いだ」


「どういう意味でしょう?」


しばらく、どう説明したらいいか考えあぐねて

いたようだが、口を開き、


「……若干の見解の相違が認められているのか、

 目的や意思がきちんと統一されているのか。

 後者なら、かなり厄介な相手だ」


なるほど、と彼は納得していたが、


「まあ団体様も団体様で、交渉出来るのか?

 って問題はあるけどな。

 船幽霊に話が通じるとは思えんし」


まあ一方的に柄杓を要求するだけだし―――

と、それまで黙って話を聞いていた同僚が、


「ペンライトとか持たせたらどうなるんでしょう?」


怒られる、と思った彼は師のカミナリを待っていたが、


「自分でやってみろ。

 何でもすぐ人に頼ってはいかん」


と返されたという。





挿絵(By みてみん)

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