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百怪  作者: アンミン
闇語り
108/300

08「表裏」【挿絵あり】

・対極にあり、害となり、必要なもの。


お寺で修行している知り合いの話。


魂魄こんぱく」という言葉がある。

たましいを指す言葉だが、2つの真逆の属性を

意味しているらしい。


「魂は陽、魄は陰。

 魂は心や理性を、

 魄は肉体や本能を司る。

 実際はもっと複雑だが、

 まあ大ざっぱに言えばそうだ」


そう彼の師は語った。

死んだ時、魂は天に、魄は地に帰るのだそうだ。


「元々は中国の教えでな。

 陰陽おんみょうの考えから来ているんだろう」


ところで、どこからそういう話になったん

でしたっけ? と彼が問うと


「何かキョンシーの話してなかったか?

 あれが、体に魄だけ残った状態だ」


魂魄の魂が抜け、まだ体に魄が残った状態。

好きな時に眠り、食べ、襲う。

『心』が無いから、欲求に従って動き続ける

のだという。


「厄介なのは、欲望に忠実なだけで『悪意』が

 無いんだ。

 野性動物と同じで。

 生きている人間の中にもたまにそういう状態の

 ヤツがいるが―――

 都会ならまだしも、田舎とか山の中で遭遇でも

 したら、かなり危険だ」


経験が? と質問すると


「と、ある人が言ってました」


そうとぼけられたという。





挿絵(By みてみん)

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