コラボTu②
僕とねむりんさんは陸地に足を付けた瞬間に、すぐ近くにある家の中を探索しだす。武器と防具を探すためだ。
「うっほほーーーーい!!! えーーーーけーーーーーーえむだあああああああああああ」
「うわっ!!」
いきなりイヤホンから金切り声が僕の耳に響き伝わってくる。
どうやら、ねむりんさんがAKMを見つけたらしい。AKMとは、PUBSのアサルトライフルである。AKMは近距離~中距離用武器であり、アサルトライフルの中でも中で最強クラスの殺傷能力を持っている武器であるらしい。ただし、リコイルコントロールが出来なければうまく扱うことは出来ない。
リコイルとは、FPSのゲームでは、どの銃も発砲すると銃の先が跳ね上がる。このように銃がブレること、反動をリコイルと言う。それを制御することをリコイルコントールという。
AKMとはこんな感じの武器なのだが、ねむりんさんは殺傷能力が高いのでAKMが好きなのである。
「ぐへへへへ。 早くキルしたい(切実)。 かわいい獲物ちゃん出ておいでぇ~」
「ね、ねむりんさん……」
「ハッ!! 意識がAKMに乗っ取られるところだったぁ」
ゆるふわで可愛い声でこんな乱暴なセリフを連発している。このギャップが面白くてうけているのだろう。実際に生放送できいてみて改めて皆が虜になる感覚を実感した。
「じゃあ、僕も武器を探しますね」
「頑張れ~」
僕は、家の中を物色する。さっきから見つかるのは、威力や連射力の弱いハンドガンやピストルしか見つけることしかできていない。これじゃあ、ねむりんさんの足を引っ張ってしまいかねない。
「強い武器があればいいんだけどなぁ」
すると、なにやらブルルとエンジンとかかる音がする。
「車だーーーーー!!!! これでリア充は轢き殺してやるううううううう!!!!汚物は消毒じゃーーーい!!! ブウウンブウウン!!」
「ひぃぃぃ! ってちょっと待ってくださいよぉ」
家の車庫で見つけた車を乗り回しているらしい。
「待ってください~って遠くに行っちゃってる」
マップで確認したら遠くに向かっているらしく僕と距離が離れてしまっている。
コメントを確認すると「ねむりんマジ破天荒」、「ねむりん頭おかしくて草」みたいなコメントが流れているので変に気を使わなくてもいいのだろうと考える。ただ、コラボらしいムーブをさっきから何も出来ないでいる。
(僕も後で合流しなきゃ……。 んっ、あれは……)
僕は、あるものを見つけて目を光らせた。