コラボTu④
「ねむりんさんはお休みの日とか何してるんですか?」
ねむりんさんを回復させた後、、僕たちはPUBSの協力プレイをしながら雑談をしている。
「ねむりんは365日お休みだよぉ」
「うっ! ごめんなさい地雷踏み抜いちゃいましたか?」
「えっ、ねむりん地雷踏んでないよぉ。 ノーダメージだよぉ」
「PUBSの話じゃなくてねむりんさんの地雷ですよ! あっ、右AKMです」
「AKMやりぃ! そんなことないですよぉ。 気にしてないですぅ。 逆にライトちゃんはなにしてるんでかぁ?」
「僕は……、あっ、一殺り、二殺りです。 そうですねぇ……、お母さんの家事の手伝いをしたり、一週間分の授業の復習をしたりしています」
半分嘘で半分本当である。自分のライトというキャラは、普通のバーチャル世界に住む人工知能型女子高生という設定だった。それは、自分自身が普通や女の子に憧れを抱いているという軽い気持ちから作り出したキャラだった。
なので、普通の理想の女子高生が休日にしていそうなことを答えた。
実際は、小さい時、父親と母親は気がついたら仕事で忙しくて、家を空けることが多かったので中学校に上がるまではおばあちゃんが僕と妹の家事をしてくれていた。今は僕が全てやっているが……。
なので、お母さんの手伝いをしているわけではなく、ただ自分でやっているだけなのである。と言っても悲観しているわけではないので暗い話ではない。
さらには、一週間分の復習なんかしておらず、YouTubeを見てたり、ラノベを読んだりと趣味に時間を費やしているが、ここでは黙っておく。
「そういえばぁ、ライトちゃんって学校でモテそうだよねぇ」
なにやら、ニヤニヤしていそうな声音で問いかけてくる。この前、委員長の話を相談したことを思い出してそう……。
「もぅっ! モテないですよっ!! 全然っ!」
「ほんと~ぅ? 男の子にも女の子にも、いやぁ、老若男女問わずモテちゃったりしてない?」
「モテないでよぉ~!! モテない歴=僕の年齢ですからね!!」
「そうなのぉ?? 意外かなぁ」
「からかわないでください~」
「もし、ねむりんのバーチャル学校にこんな完璧な子がいたら告っちゃうのにぃ……」
コメントを見ると「百合~」「尊い」「あ^~」など、絶賛の嵐であある。
「僕を褒めてもなんにも出ないですよ!!!」
「本当に学校にいたら、ねむりんも普通に通えるのに(ボソッ)――――」
「えっ、今なんて……」
「ライトちゃん左斜め方向から狙われてますよぉ! ねむりんが倒してきますね」
「あっ、うん……、ありがと」
あの時、放ったねむりんさんの魂の言葉は誰一人として聞き取れた者はいなかった。