李を狙う王と謎の武芸者
荒野で棍を持った男が1人で刀を持った男達と闘っている。
棍を持った男は刀を持った男達を打ち倒し、馬に乗り去って行く。
将軍の邸宅
「また、李に逃げられたのか?」将軍が部下達に怒鳴った。
「すいません」部下達が頭を下げる。
「将軍、王様がお見えです」
「おお、久しぶりだな。王。元気そうだな」将軍が言う。
「兄貴、何を騒いでいるんだ」王が聞く。
「役立たずどもが李英風に逃げられた」将軍が言う。
「李英風?なんだソイツは?そんな凄い奴なのか」王が聞いた。
「少林武術の達人だ」将軍は言った。
「フム。闘ってみたいな」王は言った。
「それで、おまえを呼び出した。頼むぞ。王」
「だが、奴はどこにいるんだ?」
「必ず探す。それまで休んでいてくれ」
「わかった。早く居場所を調べてくれ」王は言った。
街
李は馬を預け酒店に入った。
酒店に入ると茶と饅頭を注文する。
男の客が1人で酒を飲んでいた。
そこに男達が来て酒を飲み始めた。
「キャー」
男達が店の女をからかい始めた。
李は黙って見てたが、止めようと思い席を立った。
しかし、それより先に1人で酒を飲んでた客が男達をつまみ出した。
乱闘が始まった。
男達は刃物を取りだし、男に襲いかかった。
男は剣を抜き闘う。
李は棍を持って助太刀した。
男達は逃げて行った。
「危ない所をありがとう。私の名は袁と言います」男は李に礼を言い、金を置いて店を出た。
李も店を出た。
李は街外れの寺に行った。
日は西に傾いていた。
寺の和尚は李を歓迎して泊まる事を勧めた。
李は精進料理を食べながら和尚と話た。
「甫田少林寺が焼き討ちにあったとは知りませんでした」和尚が言う。
「私以外にも生き残った者がいます。かれらは広東の九龍少林寺にいます」李が言った。
「そうですか。あそこなら清の軍隊も手が出せないでしょう」和尚が言った。
「私は今、紛失した仏陀奥義秘伝書を探す旅をしています。これが地図です。これによると九連山にあるそうです」李が言った。
「九連山と言えば虎が住むという。くれぐれも気をつけて下さい」
「わかりました」と李は答えた。
翌朝、李が出発の準備をしていると和尚が来た。
「食べて下さい」と饅頭を渡した。