表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/32

俺ってそんなにひどい顔なのか?

グリズリーとの戦いから5日が過ぎた。

集落の人達は壊れた家の修理や怪我の手当てに勤しんでいる。


俺はグリズリーからの最後に受けた一撃でしばらく動けなくなっていたがオッズの家で手当てを受け、今はすっかり回復し、家の修理の手伝いをしている。


俺は休んでる間にこの世界の事をいろいろ教えてもらった。

どうやらこの世界ではステータスとスキルと言うものがありそれに乗じて体の動き方が違うらしい。簡単に言えばゲームのシステムだ。

ステータスは高ければ高いほど素早く動けたり多少の怪我でも平気になる

スキルはG~Sまで様々なものがランク分けされており低いランクほど扱いにくくランクが高ければ重たい武器でも簡単に振り回せたり頭でイメージするだけで自在に操れるというもの。

これはステータスカードとスキルカードという人の能力を読み取る力のある特殊な素材でできたカードでわかり大抵は生まれた直後にはカードを持ち

そのステータスやスキルを見て育て方を考えるらしい。

俺はオッズから両カードをもらい早速自分の状態をしらべてみた


俺のステータスは素早さ、体力、力などが平均より高くなっておりそのおかげであの激しい攻撃にもこうして無事でいられたみたいだ、多分これは予想だが元いた世界で野球で鍛えた足腰とスタミナ、根性なのが反映していると思われる。

ただ問題はスキルの方だ


剣スキルF

打撃スキルF

乗馬スキルF

槍スキルF

魔法スキルF

弓スキルF


……その他諸々全てがFになっている。

ちなみに大体基本運動音痴と呼ばれる人でも最低一つはEくらいはあるもので全てがF、特にステータスが高いのにFと言うのはかなり稀らしい。


「……よくこれであいつを倒せたもんだあ、奇跡としか言いようがない」

オッズに呆れられ気味で言われた。

スキルと言うのは戦闘に関してそれくらい大切なものらしい


「はぁ……」

屋根の上でトンカチをたたきながら思わずため息を吐く。

ほんの数日前まで天才と呼ばれていたのに今じゃ運動音痴より下になってしまっている。

大体ステータスが反映されるなら何故スキルが反映されていないのかが疑問だった。

バットなんて打撃武器の基本なんだから

打撃スキルは高くてもおかしくはないだろ?

一体どういう理論で決められているんだ?謎は深まるばかりだ。


「よ、勇者。もう体は大丈夫なのか?」

上機嫌にオッズが屋根に上ってきた。

グリズリーを討伐したあとからずっとこの調子だ。よっぽど倒せたことが嬉しかったんだろう


「あんたの娘さんの手厚いな看病のおかげでね」

俺が寝込んでいる間、ずっとルウがそばで看病してくれていたのだ


「あいつはお前に惚れてるぜ、よかったな、いい嫁さんが見つかって」

オッズが茶化すように言う


「まだ候補だよ、俺はモテるんでな。」

俺はオッズの茶化しに冗談交じえて返す

「その顔でか?ハハハ」


――今またさらっと酷いことを言われた。

ただこのことは俺にとってのもう一つの問題だった。


「なあ……俺ってそんなにひどい顔なのか?」

恐る恐る聞いてみる


前にもルウにも言われたがここでは何故か顔が悪いように言われてる

別にここに来て顔が変形したわけでもない。


オッズしばらく黙り込む


「……なぁに、心配するな。ルウは顔では選ばないよハハハハ」


しばらくの沈黙の後、笑ってごまかされたがここではどうやら完全にブ男らしい。

無性に向こうの世界に帰りたくなってきた……


「ところで話は変わるが、お前このあとどうするつもりなんだ?」

「え?」

オッスの質問に少し戸惑う。

たしかにこの先行く当てはない

そもそもなぜこの世界に来たのかどうやってきたのかもわからない状況だ

俺は少し困った表情を浮かべる。


「もし行く当てがないならこのままここに住むのも構わないが一度女神の所に行ってみないか?」

「女神?」

突然の提案に少し驚く

「ああ、別に本当の女神に会いに行くわけじゃない、女神が住むと言われているところだよ。

この山は女神が住むと言われてるだろ?ここからまっすぐ登って行くと女神が祭ってある洞窟があるんだ。そこに女神はいると言われている。俺たちは見たことないがもしお前が本当に勇者なら現れるかもしれないぞ」

オッズの提案に少し考える

――どうせここにいても始まらないし一度行ってみるか

俺は女神の祭ってある洞窟へ行くことにした。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ