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あの変態やるじゃねぇか!

家から飛び出し目にしたのはまるで映画のような光景だった。

体長5メートルを超える大熊とそれに武器を持ち立ち向かう毛皮の防具を身にまとう褐色肌の屈強なの男たち。

俺はその光景を目にしてその場に立ち尽くしていた。


「話はまとまったのか?まあこの状況じゃ選択の余地はねーか」


家のそばには他の男たちよりも倍以上ある大きな槍を持ったオッズが立っていた。


「お前、得意な武器スキルは?」

「武器スキル?」

「ん?お前の世界に武器スキルはないのか?」


そもそも武器を持つことが一般的にない。


「ふん、まあいい。お前がこの世界のルールに反映されるなら後々は覚えなきゃいけないことだ。とりあえず武器庫に一通りの武器がそろえてある、お前の使いやすい武器をとってこい」


オッズは指で山から反対方向の入り口付近にある武器庫の場所を示したあとグリズリーに突っ込んでいった。


ーー


「どうだ⁉状況は?」


オッズは応戦している男の一人に尋ねる


「駄目です!槍で刺しても矢で射ても全く効いていません!」

「対グリズリー用のボウガンがあったろ、あれを持ってこい!」


オッズはそう指示するとグリズリーの懐に飛び込んだ。


「うらぁ!くたばれ熊野郎!」


オッズは大きな槍をグリズリーの体に突き刺す。

しかしグリズリーは出血こそするものの効いてる様子は全くなく、1本1本が電信柱くらいの太さの大きな爪で応戦してくるが、その攻撃をオッズは華麗にかわしていく。


「おお……」


武器庫で武器を散策しながらその光景を見ていた俺は。戦う男たちの姿に感化され、これから自分もその光景に参戦するのだと思うと少しの緊張感と好奇心に胸が高まった。


――とりあえず武器を決めないとな、まあどれも使ったことなんてないし、基本なんでもいいだろ。

俺は武器庫の中を探ると適当に箱の中ににあった剣を手に取った。

剣は使ったことがないが、ファンタジーな世界では一番目にする武器だ。


――よし、これでいこう


剣を持ち武器庫を出るとオッズの方へと向かった。


「お?来たか。その剣を手にするとはなかなかお目が高いな、それはかつて女神側近の守護者たちが扱っていたものとされているやつだ。うちのやつらは槍使いが多いんでね、ずっと武器庫に眠っていたものだ」


俺に気づき、持っている剣を見てオッズが感心したように言う。

いくら使わないからってそんな凄い剣を何で他の武器と一緒にしてるんだと思ったが、それと同時にそれを引き当てた俺は本当に勇者じゃないのかと思い始めていた。



「フフッ、よし!」


俺は少し強気になるとグリズリーに突撃していった。


「おい⁉そんなに近づくと…」


俺の存在にグリズリーが気づくとこっちに向かって爪を振りかざし攻撃してきたが俺はそれをに横に飛び素早くかわした。


「おお⁉」

「あの変態やるじゃねぇか!」


俺の動きに周りの男たちは感心していた。

反射的に動いてみたが予想以上に素早く動けてはっきり言って自分でも驚いている。

どうやらこの世界では元のいた世界より素早く動けるらしい。


「くらえぇぇぇ!!」


勢いをそのままに俺は地面を強く蹴って飛び上がり、グリズリーの顔めがけて剣を振り抜いた。

……しかしその瞬間、急激に剣が重くなり勢いよく振り抜いたはずの剣は何故かグリズリーの手前で勢いをなくしていった。


――ヘッ?


……コツンッ


俺は子供を叱るように熊の頭をたたいていた


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