このままこんな最悪の人生を送ってたまるか!
女神との1件から三日がたったが
俺は未だにこの絶望的な状況の現実に向き合えないでいた。
失意のどん底から這い上がるために女神に会いに行ったら、まさか上からセメントをぶっ掛けられるとは考えもしなかった。
俺のスキルは今や最悪の中の最悪。見ることすら難しいと言われているランクGのスキルをすべてにつけている。多分この世界では俺だけだろう。
こんな状態でこの世界で生きていくには重労働低賃金の作業場で働くくらいしかない。スキルが必須な冒険者になるなんてもってのほか、ましてや魔王を倒すなんて夢のまた夢だろう。ちなみに町で進められる適性職業は奴隷らしい。
そしてこの状態から更にかけられているのが周りからブサイクに見られるという呪いまがいの魔法だ。
ブサイクを極めてしまった俺は普通の日常会話をしていたはずなのに気が付いたら顔を罵られていて
まるで昔見た新喜劇を思い出させる
……まあこの件については割とおいしい立場にも若干感じることがあるが……
ただやはり女性の俺に対する態度が冷たくなるのは心が折られる
あんなに懐いていたルウも普段通りに接してはくれるが目を合わせようとしてくれないし
少し距離を置かれている気がする。
そして俺はこの状態から魔王の討伐の使命を課せられている。
――……無理だな
再び絶望する
この繰り返しを何度したであろう……
俺は腹をくくり、いい加減この現実と向き合うことをを決めた。
――このままこんな最悪の人生を送ってたまるか!。
まずは動かないと何も始まらない。とりあえず今の状況を整理し、今後の行動を考えてみる。
まず俺が最終的に目指すのは魔王討伐だが今のままではまず無理だろう。
魔王討伐は後回しにして、まずやるのは女神から受けた魔法を解くことだ
あの女神の事だ、魔王を倒したところで「元の世界には戻せません~」とも言いかねない、ならばこの世界でも普通に生きていくための最低限の力を取り戻しておく必要がある。
俺は女神の呪い……もとい魔法の解除を目指す方針に決めた。
そしてそれを成し遂げるためにまず今後どうしていくかを考えなければならない。
そこで俺はまずここから1番近くにあるというエポルカという町で冒険者として働くことを決めた。
なんでも町には冒険者が集う酒場と仕事がもらえるギルドがあるらしいのでそこである程度の力をつけることと一緒に戦ってくれる仲間を集うことを考えた。
……ただここでまた一つ問題が発生する。
俺は現状況では戦えない、ましてやこんなスキルじゃ雇ってすらもらえないだろう。
何とかこの状況で戦う方法を考える……
するとふとグリズリーと戦った時のことを思い出した。
あの時、棍棒は上手く扱えなかったが、石材を投げるときには何の異変もなかった。
……そして俺はある一つの方法を思いつく
――アイテムか……
アイテムを使えばなんとか戦えるかもしれない。
アイテムは武器としては扱われないしどんな人でも使える。アイテムには日常のサポートから
戦闘に役立つアイテムまで様々なものがある、もしかしたら組み合わせ次第で何とかなるかもしれない。
俺はさっそくオッズにアイテムの事を相談してみた。
話を聞いたオッズはいったんその場を離れると
集落の倉庫に眠っている様々なアイテムを持ってきてくれた。
「……こんなにもらってもいいのか?」
もらったアイテムの中には希少なレアアイテムまであった
「なあに、どうせあったって使わねえものばかりだし気にするな。
それにお前の今の状況……本来なら女神に仕える俺たちが代わりに魔王退治をしなければならない状況だ。
だがそれはできねえ、だからそれはせめもののお詫びだ。遠慮せず使うといい。」
そういうとオッズは更に集落中にあるアイテムかき集めて持ってきてくれた。
――これだけのアイテムがあるなら何とかなるかもしれない
俺は早速アイテムの効果や機能を一通り把握するとそれの有効な組み合わせや活用方法を考え始め、それを実践で使えるかを試してみる。
そして絶対に見つけ出してやる俺がこんな最悪な状態の世界で生き残る方法を……
とりあえずここで章区切ります
感想とかもらえるとありがたいです。




