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三回目に起こるイレギュラー  作者: Dark Revenger
一章:憧れの異世界が効率レベリングの場に変わるまで
4/50

第四話:とりあえず命の危機を回避させてくれ

 後半ちょっとつまらないかもしれませんが、説明回に近いのでご都合主義が嫌いな方だけでも読んで頂ければ幸いです。

「ふぅ……ん? どうした妖精」

「ハァ……ハァ……なん、ハァ、なんで、二時間も、ハァ、呼びかけ、ハァ、応えて、くれなかったの!?」


 なんでと言われても……


「イルトミルジスを愛でるのに集中していたから」

「ハァ……普通、妖精に話しかけられたら、ハァ、真っ先に応える、ものなのに」


 そりゃあお前価値観の違いって奴だ。

 そんなことより俺のナデナデスキル(レベル3)の餌食にされ息も絶え絶えどころか色んな意味で昇天寸前のイルトミルジスを介抱しなくちゃならん! やべぇ、調子に乗って後先考えなかったらデキちまったよ。愛玩動物殺害現場。ナデてる間は完全に理性が吹っ飛ぶから毎回毎回命がけなんだよな。動物の。


 急いで肩掛け鞄からお~いお茶とカロリーメイト(プレーン)、そして神の飲み物を取り出して緩く開かれているイルトミルジスに口移しで食べさせる。端から見れば兎とキスしてるド変態だけど兎命救助の為だ、仕方ないだろう。兎が前述不自然食料を食べられるかは不明だけど今はこれしか栄養と水が無い。魔物ならイケるだろう。たぶん、恐らく、きっと。


「あの……そのアルミラージ助けようか? ボクは妖精だけど『命術士』のジョブを持っているから、魔物でも回復できるよ?」

「それを早く言ってくれ妖精さん! ゴー! ケアル!」

「ケア……? ああ、そうか。キミなんだね」


 何か納得したような、それでいて訳知り顔の妖精さん。だけど今はそれら不自然を指摘している場合じゃない。


 妖精さんが小さな手でイルトミルジスの体に触れると、接触部分が若草色に光り出した。するとみるみる内にイルトミルジスの容態が良くなっていった。いや、よく分からんのだけどなんとなく。


 いや、本当になんとなくだけどイルトミルジスが回復しているって分かる。もしかしなくても従属化が作用しているのか? むむむ……ここら辺は要検証だな。




 やがてイルトミルジスは復活した。

 一回り大きくなって。


「お前はサイヤ人か。いいぞ、もっとやれ」

「やめて欲しいのか応援したいのかどっちかにしなよ……」


 妖精さんが呆れてツッコんでくるけど無視。もはや某RPGに出てくるようなアルミラージとほぼ同じサイズになったイルトミルジスに抱きつく。ふにゅ~ん、このモフモフ感と気持ちの良い温かさ。元の世界で得られることはまず無いねぇ。愛いヤツめ、愛いヤツめ。


「……えーっと、そろそろ自己紹介いいかな?」


 おっと、妖精さんにお礼を言うのを忘れていたな。

 イルトミルジスから離れて胡坐をかき、右手でイルトミルジスを本当に軽くナデナデしながら妖精さんに頭を下げる。


「俺の名前は伊能錦だ。イルトミルジスがお世話になった、ありがとう」

「うん、分かった。伊能錦君とイルトミルジスちゃんだね? ボクはルカリオン。見ての通り妖精だよ」


 ルカリオンと名乗った妖精はそう言い空中でクルリと回る。

 改めてルカリオンを見て見ると、背丈は二十センチくらいで人間の大きさに脳内イメージをするとやや細身の成長期真っ只中の少年だ。翅はウスバカゲロウのようにやや透き通っている黒い色をしていて、着ている服は緑のワンピースだ。


 ……ワンピース?


「あ、これ? これはね、『裁縫士』のジョブを持った人間を助けたときに作ってもらった風の服だよ。これを着ていると風の悪影響が緩和されるんだよ、凄いでしょ?」


 なるほどな。そういう理由なら納得だ。何でワンピースなんて女物作ってもらったんだよって疑問はあるけど、ルカリオンは中性的で良く似合っているから問題は無い。俺だってもう少し女顔だったら平気で女装して町を歩いていただろうし。

 ちなみに、女装趣味自体はある。裁縫するようになったのもそこら辺が理由だし。


「そうか、似合ってるよルカリオン」

「えへへ、ありがと、伊能君」


 …………


「ルカリオンさえ良かったら俺の事は錦と呼んでくれないか? なんとなくだけどお前は俺にとって大切な存在になる気がする」


 この感覚は『彼ら彼女達』と出会った時と良く似ている。もちろんこの感覚が無くても名前呼びを許可した者はいるけど、俺が……偏屈で取っ付きにくいおかしな子供と散々陰口を叩かれていた俺が親友と呼べる存在は、『彼ら彼女達』しかいない。


 その感覚に乗っ取るのなら、俺は目の前の妖精と友になるべきだ。こんな状況に陥って、それでも親友がいてくれるというのならそれ以上の幸せは無い。


 そんなある意味で汚い計算を巡らせていた俺の心など読めるはずもない妖精さんは、パァっと輝くような笑顔を浮かべて元気良く「うん!」と頷いてくれた。


「それで錦君、キミは異世界人でしょ?」


 親友関係を結んで最初の言葉がコレって俺だけじゃないのか?


「なんで分かるんだよルカリオン」

「う~ん……キミになら話してもいいかな。どうも時廻りの業を背負っているみたいだし」


 !? なん……だと。


「……お前は、俺が何なのか分かるのか?」

「うん。キミは賢くて良い子、だけど世界と馴染めなかった。だから戻りたい、やり直したい、こことは違う世界で生きたい……そう強く想った。それが世界に影響を与える何者かに憐れまれて永遠に時を廻る旅に誘われたんでしょ?」


 ……ルカリオンはループを知っているのか。だけど負の感情は見られない。ということはあのループから抜け出す事が出来る可能性はあるのか? ともかく最低でも俺のループの道程に悲劇は必然配置されていないって訳だ。

 それが知れたのなら良かった。


「まあいい。それより、お前は俺が何故異世界人だと分かったんだ?」


 俺の問いにルカリオンは少しだけ考えた素振りを見せてから、語り出した。


「これは他の異世界人には内緒だよ? この世界はキミの世界とは元々同じだったんだ。そしてこの世界は普通の世界より自我が大きかったから感情を持った。ボクはその世界から作られた半種族の妖精……」

「ちょっと待て」


 まさか……そんなはずは無い…………だってここは本物だろ? なら、おかしい。


「……四強能力、十二の使者、四なる獣皇、『勇者』、『神』、『魔王』、『大罪人』」

「…………え? なんでキミがそれを?」


 …………ぐあぁ! クソ! クソ! クソ! なんてこった! まったく、そりゃファイアやホイミが発動しないわけだ! ちくしょうがコラ! なんで、よりにもよって……


「……俺が、作った設定が適用されている」


 俺が作った作品、つまりは小説。

 その全ての根本に座している設定、それがこの世界に適用されている。

 つまり、この世界は俺が生み出したような物ッ!


「ハハ……それとも、ただの妄想が世界の真実にたどり着いていた……っていうのか?」


 ……ああ、前者よりは考えやすいじゃないか。さっきの戦闘やイルトミルジスとのじゃれあいの再現度の高さがここは妄想の世界じゃないと……いや、幻の世界じゃないと教えてくれるからな。


「……もしかしてキミ、クミオエット・J・エベミス?」

「俺のペンネームを知っているって事は、俺はマークされていたのか?」

「うん……たしか十七つの世界の真実を独力で暴き、間接的に二つの世界を『産み』、無知者に世界の知識を触れさせた『セムセジ』より危険度が高い存在として、近々『勇者』が動くって話しだったよ」


 ……そこまで『世界』と世界の外が情報を取り合っている設定は無かったはずだけど。

 まあ、あれだって『世界』の法則を二つだけ決めた代物だし、他の法則に支配されている世界があっても不思議は無い。


「しかし『勇者』が動く、ね……『勇者』の管轄ってそこまで広かったっけ?」

「……『勇者』は『世界』が壊れる事を防ぐ役割を持っている。キミの知識……というより偶然知ってしまった世界の知識が悪用されると……」

「なるほどな。悪の『魔王』に利用されるって訳だ」


 コクリと頷くルカリオン。まったくなんてこっただぜクソ……なんてイレギュラーだこんちくしょう。


「……ルカリオン、『勇者』が動く時期って分かるか?」

「キミがこの世界に来る前の話なんだけど、確かキミが計画していた『面白い事』を台無しにする時期にするって言ってた」


 だとすると五年後か。その『面白い事』が起きなきゃ『勇者』としても面白く無いだろうに……まあ、現実に起きるなら俺の存在なんてもう必要無いだろうけどさぁ。


 クソが、『神』ならまだ御する材料はあったけど『勇者』か。まあ悪の『魔王』や正統な『大罪人』、ましてや魔王的な『勇者』じゃない分救いはあるか……

 しかし、相手が『勇者』ということは俺が小説を書く選択肢が削られてしまうということだ。それは俺に死ねと言っているような物。如何に目的が幻想へ近づく事だろうと、既に創ってしまった以上は最後まで書き続けるのが一物書きとしての義務。むしろ生きていく意味と言っても過言ではない。


 ならば。


「ルカリオン、お前は世界から生まれた妖精と言ったよな? 具体的に言うと異世界から生まれたということか?」

「うん、別世界じゃないよ」

「なら……頼む」


 小さき未来の友に土下座をする。

 テレビで晒されるメチャクチャな物ではなく、しっかりとした綺麗な土下座を。


「あ、ぅえ!? い、いきなりどうしたの?」


 そうだな。そうだろうとも。自身の出自を聞かれた直後に大犯罪者的なヒトに土下座されたのだ。驚くのも無理は無い。


「俺に、この世界の能力を教えてくれ」


 俺が書いた小説の設定に『世界毎に能力は一つ』という物がある。この世界は魔法、この世界はスキル、この世界は忍術……といった感じにな。


 先ほど聞いた『ジョブ』という言葉、恐らくはこの世界の『世界の能力』。

 勇者相手に『能力』程度じゃ心もとないけど、無いとあるとじゃ随分と違う。俺の、この世界に連なる『勇者』を設定……いや、『思い着いた』俺の知識に基づけば。

 なら、俺はこの小さき未来の友人に尋ねるしかない。

 この世界の、能力の知識を。


「う~ん……」


 ルカリオンは、悩ましく額に八の字を作っていた。

 分かっている。

 こんなのは発売直後に攻略法を聞くようなズルさだ。世界の子が相手なら、守秘義務が生じてしまう確率のほうが高い。


「分かったよ」


 ッ!

 ばっと頭を上げ、宙に浮かぶ小さき未来の友を見る。

 そこにあったのは……慈悲の表情。


 じゃない。


「でも、代わりにボクと兄弟達と……親を救ってほしい」


 そこにあったのは、懇願。

 強者に対する、縋り。


「あの悪の『魔王』から」


 …………お、おう。

 ただでさえ厄介な『勇者』を相手する事が確定しているというのにそもそもの狙われる理由である悪の『魔王』を倒せと来た。無茶振りもいいところだ。

 だけど、俺は決めた。小説を書き続けると。


「了解だ。お前とお前の兄弟、そして親は今日この日を持って救われる未来が確定する事を、この俺『クミオエット・J・エベミス』が約束しよう」


 伊能錦じゃ駄目なんだ。

 伊能錦は嘘尽きだから。

 コミュニケーションから問題の解決まで、関係が浅いというだけでどんな時でも平気で嘘を付く、最低なヤツだから。


「だからよろしくな、友人」


 うっ、言っちまった。

 俺の嫌悪する友達と区別するための言葉を。


 だけど、ルカリオンは少し驚いただけで、すぐに太陽のような笑顔で元気よく返事をしてくれた。


「こちらこそ、よろしくね。クミオエット・J・エベミス」


 ……


「いや、あの、大事な約束をするときとかはクミオエット・J・エベミスだけど、普段は伊能錦にしてくれ」


 日常生活までペンネームで呼ばれるなんてたまったもんじゃない。ヘイトを極力排除して親愛度を上げた妹がたまに小悪魔な顔で呼んでくるけど、そういうのは可愛い小悪魔系妹が言うから嬉しくなるのであってリアルで言われると羞恥心で顔から日が出る。火じゃないのがミソだ。


「うん、分かったよ錦君」


 そうそう、じゃなければ俺は一生穴の中に潜ってモグラと結婚してしまうまである。


「それじゃ、『ジョブ』について説明するね」

「よろしくお願いしますルカリオン先生」


 さて、『ルカリオン先生の楽しいジョブ講座』の始まりだ。


「せ、先生……なんか良いね。うん! 頑張る!」


 おおう、意外に好感触。茶化すなとか言われると思った。


「まず、この世界の能力は『ジョブ』と言います。ジョブとは元々神族の言葉で『衣』という意味を持ち、『衣』という表現が魔族の間で『身につける』となり、人間に伝わった過程で『技術を身につける』、『職業』となり、この能力を身に付けた人間がその特性から『ジョブ』と命名したのです」


 なるほど。名は体を表すとも言うし、能力名の起源を知るのは有意義だ。ルカリオンって先生の特性あるかも。


「『ジョブ』の特性はずばり『職業』です。例えば『魔法士』のジョブを持っている者は魔族特有の能力『魔法』を行使できるようになります。これは超能力に代表される能力の『そういうもの』という部分が作用していて、物理法則や種族限界の突破も促されます」


 ほほう。『ジョブ』も『そういうもの』が適用されるのか。

 この『そういうもの』とは『科学法則』の『正体』と同じようなものだ。

 すなわち『何故そんな法則がこの世に存在するのか分からないけど事実存在している物』、という意味だ。俺が書くのは主にファンタジー系の小説だから物理学者のように詳しくは知らないのだけど、テコの原理や重力法則が何故『存在』しているのかが分からないのと一緒で、『そういうものだけど確かに存在する』のだ。

 この世には科学法則だけでは解決出来ない事柄があるっつうことだ。


「この『ジョブ』は主に所有者が『何かになりたい』、『こういう物になりたい』と思った事を世界が認める事で顕現します。先ほどの『魔法士』で例えるなら『魔法が使える人になりたい』、『魔族のように不思議な力で何かをしたい』という想いが世界に認められる事で始めて『ジョブ』認定されるのです」

「質問」


 手を挙げる。


「錦君、どうぞ」

「世界って確かそこまで種族的な思考能力の無い存在でしたよね? ならなんでそこまで消極的になれるんですか?」


 普通、世界というのはただそこに『在る』だけだ。聞かれて応えるなんてありえないはずなのだ。それこそ意を汲む事なんてとんでもない。


 ルカリオン先生は、まるで予期していたかのように笑みを浮かべてすらすらと答えてくれた。


「それは錦君が見つけた世界の話です。この世界はボク達妖精を創るという選択肢が出てくるほどの自我を持っています。だから自らが侵されて壊されようとしていても世界の力を使って悪の『魔王』を消滅させられないのです」

「なるほど、分かりました」


 つまりどこぞの氷神と同じって訳だ。本来感情の塊で思考能力が存在しない精霊が何らかの事情により自我を得たって話。それなら世界の能力が僅かでも世界を動かして得るという仕組みにも納得がいく。

 それに、ずっと気になっていた世界の力の行使によって世界のほとんどが消えていない理由にも納得がいった。『種族』に情が湧けばそりゃ限定的なビッグバンも起こせないよ。これがウチの世界じゃなくて良かった……ウチの世界の能力はなんなのか想像すらついていなかったし。


「すみません、授業の再開をお願いします」

「いえいえ。ここまで理解出来る事のほうがおかしいので大丈夫ですよ。むしろ分からない事があったら積極的に聞きに来てください。では、授業を再開します」


 最初の口調はどこへやら、いつの間にか教師モードになって無い眼鏡をクイッと上げて授業を続けるルカリオン先生。やべぇ、超様になってる。


「『ジョブ』にはレベルが存在します。『ステータス』が道具で見れる世界や電子の世界の物と同じ物です。仕様は生物殺害経験系を主軸に熟練度系が交じっているという形です」


 お、つまりモンスターを退治することで能力の強度が上がるのか。嬉しい誤算だ。いざとなれば気に食わないヒトの皆殺しや強者を倒しまくってレベルを稼ごう。

 っと、ここで質問だな。


「質問」


 手を挙げる。


「錦君、どうぞ」

「生物殺害経験系で得られる経験値は同じ種族でも強い個体からは多めの経験値が手に入るとかってありますか?」

「ありますよ。より正確に言えば強い生物……もっと正確に言えばより強い半永久機関を有したモノを殺した時に経験値は大幅に入ります」

「つまり、同じスライムでもキングスライムになると経験値が多くなる、という事ですか?」

「その通りです」

「後、半永久機関と言いましたが、それって生物のみならず核を持ったゴーレムやロボットを壊した時にも手に入るって事ですか?」

「そうです。他にも、錦君達の世界で言うところの付喪神のような核は持たないものの生き物ですらない妖怪の類や実体の無いシャドー系からも経験値は入るそうです。詳しくは知らない……というか教えられていないのですけど、判断基準はたぶん自分だけで存在を『今』の間だけ維持する事が出来る存在、でしょうね」


 ふむ、なら同級生の一人を『ゴーレム・クリエイター(仮)』や『召喚士』辺りにしてゴーレムや召喚獣量産させて壊し・殺しまくればあっという間に経験値が入りそうだな。要検証、っと。


「質問は以上です」

「分かりました、では次です。『ジョブ』のレベルに構造上上限はありませんが、次のレベルに上がる為の経験値が多すぎて普通の人間は7まで上がれば上出来、10ともなれば天才と呼ばれるレベルです。過去最高はとある英雄の21ですね」


 ふむ、DQ仕様のダン○ちやAWタイプか。厄介だな。早めにメタルなスライム系の生息地を突き止めねば。


「次に、『ジョブ』はレベルが上がる毎に拡張能力が追加されます。『魔法士』のジョブで言うなら『魔法』のレベルが上がるという所ですか。レベル1の時は『火魔法:レベル1』、レベル2の時は『火魔法:レベル2』のような感じです。合間に魔力回復量増加や新魔法の追加があるみたいですけど、そこら辺は完璧にランダム……いえ、とてつもない感情が作用した例もあるので一概にランダムと決めつけるのも良くないのですが」


 ふむ、ならFF仕様のAWタイプだな。拡張能力を決められないのが難点だけど。まあ予想外に強い能力が来る可能性だってある、という風に考えれば良いか。


「『ジョブ』の授業についてはここまでですね。流石に顕現した『ジョブ』の詳細説明はルール違反が過ぎるので説明できません」


 了解。そんだけ説明してもらえれば十分だ。


「ありがとうござました、ルカリオン先生」

「これくらいなら世界も許してくれるから良いって、錦君」


 ルカリオンは照れたように顔を赤らめて視線を外した。

 その先には俺のナデナデスキル(レベル4)のオートナデナデを受けてとてつもなく頬を緩めている(ように感じる)イルトミルジスが。


 お、そういえば。


「じゃあルカリオン先生、次は魔獣について説明してくださいませんか?」


 なお、伊能錦はこの詩作品では無い作りかけの小説を書いた作家という裏設定です。

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