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三回目に起こるイレギュラー  作者: Dark Revenger
二章:文明は斯く偉大なり
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第二十三話:なんとなく楽しげな悪巧

 ふはは! 追試食らったわ!

 だがそんな事はどうでもいい。私は書ければ良いのだから!

 さて、これから何をしようかね? あの様子では中森のレベリングや契約したとかいう大蜘蛛を見る事は叶わないだろう。かといってスライムの核の実験も済ませたし……イルトミルジスを構おうにも今は中森と長沢のラブラブ最終防衛ラインにいてもらっているから駄目だし、キャステラウムとトリゼェイソンと模擬戦しようにも復活に大分時間がかかりそうなスライムの核の護衛を頼んだし、セネクトウテを始めとしたヅィ・スコロペンドラ諸君は中森と長沢のラブ空間にヒトが行かないよう防護をしてもらっているし、ルカン兄さんは『妖精』の指揮を取っているため遊べないし、ゴブリン諸君とオーク及びドラキー達は水汲み。やれることといえばファロとセカロドの性能検証か。ああ、まずは残りのスライムの核をガルハイシュに渡さなきゃな。


「あ、イノウ様。ユウイチロウと」

「ユナを見なかったか?」


 とりあえずファロを右、セカロドを左に侍らせてガルハイシュの研究所(仮)に向かっていると、大人しそうな少女妖精と生意気そうな青年妖精が新生カップルの居場所を聞いてきた。この二人は見覚えがあるな。たしか中森と長沢のパートナーになった『妖精』だ。


「今は取り込み中だ。男女の仲的な意味で、な」

「やっぱそうだったのね」

「あの二人……」


 ん? 何を苦虫でも噛み潰したような顔を……まさか。


「……『妖精』は気に入った相手を自身のパートナーとして選ぶ。つまり波長が合った相手という事だ。で、その波長の由来は恐らく精神。今、二人の精神はパートナーとして選ばれた時とは決定的に違いが出ている。その影響がお前ら二人にも?」

「よ、よく分かるのね。その通りよ」

「俺たち、さっき急にお互いが気になりだしたんだ」


 そうか、そういう問題があったか……でも。


「お前らはお前ら同士嫌いだったのか?」


 揃って首を横に振る妖精二人。


「なら良いんじゃないか? 今回を機にお互いの事を知り、好きになれば」

「なっ……そんな」

「簡単に言ってくれるけどな」


 まあそうだろうな。噛み付いて当然だ。


「……難しいな。俺は中森と長沢を応援したい。だけどお前ら『妖精』をないがしろにする訳にもいかない。男女の仲はデリケートすぎるからある程度の定石があるとはいえ今回の場合に対するノウハウを俺は持っていない」


 解決策が無いことも無いけど、それをやっちゃあ俺という『人間』はおしまいだ。今はヒトじゃなくてグールだけど、アンデッドも大まかなくくりでは立派な『人間』。それほど間違いというわけでもない。


「俺から言えるのは、気長にお互い折り合いをつけろ。くらいだな」

「……分かりました」

「あんたに言っても仕方ないのに、悪かった」


 おう。分かってくれたのならそれでいい。言い訳を使えるのならパートナーを決める前の段階から中森と長沢はお互いを意識していたのだから、それを見極められなかった二人が悪い。とも言えるのだ。ここは大人しく引いてくれたほうが俺としても助かる。


「なら良い。とりあえず、有事に豪華な食料を渡す候補にお前らも入れておく。それで手を打ってくれ」

「「はい、イノウ様」」


 そう言って去っていく妖精二人。

 ……とは言うものの。


「お前ら、二回も言葉を合わせておいて良く恋愛的な文句が言えるな」


 しかもさりげなく距離近づいてるし。絶対無意識下で惹かれあってるだろ。始まりはどうあれ、お互いを好きになってしまったのなら素直に受け入れてラブラブしろってんだ。うん、あんな不器用、眼福眼福と言わせてもらおう。


「さて、ガルハイシュのところに行くか」


 新米カップルを見送ってから再び歩みを進める。しかし、会話も無く歩くのも久しぶりだな。実際はそう長い時間でも無い筈なのに、異世界に来てから時間の感覚がリセットされたのか? 前まではむしろ時間は早く過ぎていたくらいだったからな。こういう感覚も懐かしくて好きだ。


 でも、だからだろうか。こんな事をふと考え始めたのは。


 俺は一人でいる事を否定しない。

 当然だ。最初の人生から現在まで様々なヒトと関わって、保護されて生きてきた俺だけど、最初の世界と二回目の世界の始めの頃はいつも心が独りだった。

 自分に出来る事と出来ない事くらい、中三でも分かる。

 そこら辺を理解出来たのは、ひとえに日本を代表したあのラノベを読んだからだ。あれが無ければ俺は最初の世界で中学も卒業しない内に処方されていた睡眠薬をキロ単位で無理矢理胃袋に流しこんで自殺していたに違いない。痛いのは嫌だったからな。


 でも、周囲のヒト共はそれが分からなかったらしい。

 俺が何度出来ないと言っても、今まで積み重ねてこなかったのが悪いと俺を責める。

 そんなのは百も承知だと言えば、なら努力しろとほざく。


 俺は劣っている。

 色々と出来る事は多いけれど、ヒトとしては確実に劣っている。

 何故か?


 それは努力が出来ないからだ。


 今まで俺が身につけてきた技術は、すべて娯楽の積み重ねと言っても過言ではない。鍛治は最初の世界の小学三年生の頃に初めて読んだ小説に影響を受けてずっと憧れていたから反復作業すら楽しめたし、裁縫はこの一針一針がコスプレイヤーへと至る道だと感じていられたから続けられた。

 小説だって、今思えばとても人様に見せられないほどクオリティの低い二次創作でも満足出来ていたから、自然と技術が身に付いただけだ。今だって完璧とは言いがたいけど。


 娯楽と感じられないことは何一つ出来なかった。もしくは続かなかったりすぐ永久的に忘れた。

 アサガオの育成、日記、テスト勉強、コミュニケーション、パソコン関連の情報、政治家の名前と顔、絵……俺の記憶力で覚えていられる限りでもこれだけある。極簡単なはずのものから出来なくても仕方が無いものまで、俺の出来なさ加減に差は無い。


 すべて、努力さえすれば出来るはずの才を持っているにも関わらず。


 だから俺は劣っている。

 努力して成功する奴にも、努力しても成功出来なかった奴にも。ヒトとは努力を積み重ねて生きる生物なのだから。


 恐らく、俺が幽霊にならず精霊になるとしたら中森が初期に召喚していたただのエレメントとなる事だろう。精霊はそれほど自我が強くなかった人間の僅かな自我の積み重ねによって自身の属性を変化させる半種族。俺はそれが無いから何の特徴も無いタダの霞と大差ない精霊になるはずだ。もっとも、恐らく俺の死後は幽霊だろうけど。


 話しが逸れたな。

 つまり、俺は誰よりも努力できなかった。だから、努力が出来るヒトに囲まれた場所で、俺はいつも独りだった。


 それなのに、奴らは独りぼっちの俺に努力しろと言う。

 ふざけるな。努力できる……言い換えようか、努力の才能があるテメェらが俺に言える言葉じゃねぇんだよ。天才の考えは分からないとお前らは言うな。俺にとってテメェらは努力の天才なんだよっ。天才が、自分が出来るからと俺も出来ると言い続ける。例えるなら魚人が始めて遭遇したヒトを自らの住処、つまり水の中に何の準備もさせずに連れて行ったようなものだ。自らにある唯一の価値という掴めるわらを見つけたからこそ、俺はやっと溺死しないで済んだに過ぎない。


 そんな奴らしか周囲にいなかった。

 だったら、独りになるしかない。

 というか、俺みたいなヒトは数が少ない。

 類友も期待出来なかった。


 だから俺は一人でいる事を否定しない。

 それどころか、あの苦しさは一人じゃないと乗り越えられないと知っているから。


 もっとも、そんな俺でも第二の人生と第三の人生は多少違った。相変わらず努力の出来る奴らばかりだったけど、それを俺に押し付けず、俺という劣人を受け入れてくれる友人と親友がいた。苦しさを感じる事が無かった。冗談なようでわりとマジにヒトアレルギーだった俺でも集団生活を苦に感じなくなった。それでも半径一メートルに誰かが入ると反応してしまうのだけど。


「……っと、ついたか」


 さて、益体も無い考えはやめよう。これからは娯楽の塊である異世界生活が俺を待っている。本以外価値が無い元の世界の事なんてどうでもいい。


「おーい、ガルハイシュー!」


 たどり着いた場所はただ机と椅子をオフィス風に並べただけの場所。されど入り口では『妖精』が生み出したと思われる聖騎士(風)がガッチリと警護している。中ではわりと危険な作業も行う予定なので同級生が入り込まないよう今から配置しているのだ。


「おお、我が主! いかがなされましたか?」

「…………スライムの核を持っている」


 しげしげと聖騎士(風)の召喚体を観察していると、丁度何かの実験が終わったのかエプロンに新しいものと思われる染みをつけたままかけよってくる長谷川とその肩に乗っかりながら器用にも恭しく気取った礼をするガルハイシュ。


「察しが良いな、長谷川。その通り、お前らに新しい研究題材を与えに来た」


 そう言って抱えていたスライムの核を近くの机に下す。それとポケットに入れっぱなしだった変色したスライムの核も置く。ついでに実験で得た情報をまとめた報告書のような紙も。


「こっちの白い奴はたぶんまだ生きているスライムの核だ。で、こっちの灰色の奴は恐らく死んだスライムの核。予想だから間違っている可能性もある。二人にはこのスライムの核の性質を見極めてもらう。俺で調べられた範囲の実験資料も置いておく」


 特に何をしろと指示を出す事は無い。俺もハイバンダナその他の秘密道具もどきを作ってきたから研究者としてのノウハウはあるものの、あくまで開発者という面でのみだ。目標が無いときの研究に関しては素人に毛が生えた程度。大して貢献も出来ないだろう。こういうのは才能ある奴に託しとけば問題ない。ガルハイシュとこの無口な少年なら正確な性質調査をやり遂げてくれるだろう。


「了解しましたとも我が主! このガルハイシュ、全命を賭して任を成し遂げてみせましょう!」

「…………任せろ」


 頼もしい物だ。


「よし、この件は最優先課題として研究を進めろ。ただし、優先度の高い研究は蔑ろにするな。ある程度すぐ終わるような物や薬が今のところの優先事項だ」


 目下のところ元の世界への帰還に対するアプローチは二種類ある。『ジョブ』、『転送士』とスライムコンピューターによる世界移動エネルギーの特定と出力計算、それと制御方法に相互転移ゲートの設計図作成だ。言うまでも無くどちらも非常に時間がかかる。ので、帰るためではなく生きるための研究を急がせるのだ。嫌だよ、回復薬無くて連れて帰る奴がいなくなるとか。


「それと、例のアレだけど……」

「…………解析は進んでいる。が、恐らくレベルが足りないせいで壁が見え始めた」


 むぅ……流石にレベル1の段階では無理があったか。


「そうか。まあ仕方が無い。熟練度上げに努めてくれ」

「…………その事だが、提案がある」

「ほう? 聞かせてもらおうか」


 長話になりそうな気配が見えたので近くにあった椅子に腰をかける。長谷川にも座るよう促し、ガルハイシュは長谷川の肩に乗っかった。そういえばパートナーだったな。


「さて、お前の提案とやらを聞こうか」

「…………俺の提案は、三つある」


 そう言って予め計画書を用意していたのか、三つの紙束を取り出してその内の一つを俺に渡す長谷川。意外に綺麗な字で書かれているな。読みやすい。


「これは……エクスプロージョン・プロジェクト?」

コク

「日本語に約すと爆発計画か。爆薬でも作るつもりか?」


 訊ねると、長谷川とガルハイシュは神妙にコクリと頷いた。しかし……


「…………だが、それだけじゃない」


 などと言いだした。こういう展開の仕方は正直好きだ。悪巧みをしているようで少年心が蘇るのだ。


「というと?」

ニヤッ


 内心ウキウキしながらクールを装って訊ねる。すると長谷川にも意味が通じたのか薄っすらと怪しい笑みを浮かべた。おうおう、これがいわゆる自重しないって奴か。一度やってみたかったとはいえ、これは楽し過ぎる。


「…………エクスプロージョン・プロジェクトは、戦闘を不得手とする連中の『ジョブ』レベルを上昇させる為の計画のひとつ」

「未だ『ジョブ』を得ていない同胞諸君は多い。『ジョブ』を持っている者も、多くは戦闘に直結していないのでは?」


 そうなんだよなぁ。いかに熟練度を溜めようと現代日本に近い生活が出来るほどの道具なんかはまだ作れない。かといって戦闘による経験値稼ぎは危険も多い上に複数で行うと分散されてしまうので効率が悪すぎる。


 それを今言い出すと言うことはつまり……


「何か手があるのか?」


 だけど今は何も言わない。部下の提案はきちんと最後まで大人しく聞くのが組織運営の基本だ。なんでもかんでも上司が察して答えを言ってしまうと仕事へのやる気を無くしてしまうものだ。


「…………ああ。三ページを見てくれ」


 言われて手元にある計画書をめくる。一ページ目はどうやら表紙で、二ページ目は生徒の現状がまとめられていた。


 そして三ページ目に……


「火薬だと? それに……これは火炎瓶か? おい、概念だけとはいえなんでC-4なんて載ってやがる。しかもこれは……エクスプロージョン・ポーション?」

「(コク)…………火薬を除き、現時点で他の爆発物は生産可能ではないが」

「カヤクなる薬は聞く限り錬金術でも製作可能。『ジョブ』のレベルを二回上げるまでならば戦闘の素人でも、否。ヒトの子供でも使える代物でしょう!」


 なるほど、な。つまり現代知識チートか。


「…………まだ発見はしていないが、この森には熱帯地方に近い場所があると聞いた。降雪も少ないらしい。綿花が生えていても不思議ではない。濃硝酸と濃硫酸はある程度純度に目を瞑れば比較的簡単に生成可能だ」

「つまり……無煙火薬か」


 濃硝酸は生物の死骸や尿等から採れる。濃硫酸は銅か何かの金属を精錬する時の残骸を燃やし水に触れさせる事で作れる。なるほど、確かに純度を無視すれば今でも簡単に作れるな。あまりやらせたくない事ではあるけど、いざとなれば奥山の力を応用してそれぞれ生成可能となるはずだ。必要レベルを無視すれば、の話だけど。


「だけど無煙火薬は威力が低い。拳銃程度ならまだしも焙烙火矢やクレイモアのような使い方は出来ないんじゃないか? 流石に『鍛治士』に銃を作れとは言えないぞ」


 大体レベルが足りない。たぶん7くらいでようやく火縄銃が作れるんじゃないか? 俺でもギリギリ暴発しない程度のブツしか作れなかったんだぞ。というか、根本的な話としてまだ炉とアンビルが無い。槌も無ければ火鋏も無いのだ。銃どころかナイフの一本も作れん。


「…………問題無い。火を生じさせれば良いだけの事」

「次のページを見てくれたまえ、我が主」


 言われるままにページを捲る…………これは。


「…………無煙火薬が効果的な魔獣のリスト」

「それらの魔獣は火を恐れるのです。罠を敷き、四方を爆発させる事でパニックを引き起こし、まともな戦闘能力を無くしたところでトドメを刺すのです」


 おいおい……いくらガルハイシュがいるからといってたったの半日でこんなものを作ったのかこいつは……

 だけど。


「パニックを起こしたとしても確実に殺しきれる魔獣じゃ無いだろこれは」


 なんでリザードマンや大蜘蛛まで混ざってんだよ。素の能力に差がありすぎて殺しきれるわけが無い。無煙火薬ゆえに視界の強奪も期待出来ないし、無理がある。というか、いたのかリザードマン。


 しかし、それはこの二人も想定していたようだ。長谷川はますます不適な笑みを深め、ガルハイシュは自信満々の表情を作った。


「ご安心を我が主! その為の三つの計画なのですよ!」

「…………これを」


 そう言ってもう二つの計画書を俺に渡す長谷川。何々……


「……擬獣化計画と地力向上オペレーション?」


 おいおいおい! なんとなくやる事が分かってきたぜおいぃ!


「その通りです! 我が『ジョブ』、『錬金術士』のレベルは4。そこにハセガワの『薬士』を加えれば一定時間ヒトに獣の特性を与える『擬獣薬』や一時的な筋力向上、瞬発力強化、耐久力増強等の身体能力強化薬を作ることが可能なのです!」

「…………ガルハイシュ師匠が材料Aと材料Bを用意してくれれば俺のレベルでもある程度の薬は製作可能。最低品質にはなるがな」


 なるほどなるほど……確かにそれは盲点だった。単純に身体能力を強化してやれば冷静な判断が下せなくなった魔獣でも簡単に相手出来るだろうし、安全性を考慮しても二人一組で十分。効率的にもそれほど悪いわけではないし、何より一定時間でも俺が嫌いなヒトという種族が少なくなるというのだから最高だ。


 それに、変身薬の類があるという事は……


「それは、擬人薬も作れるという事か?」

「…………将来的には可能。他に人化薬や人外化薬、擬人化薬なんて物もある」


 ほほう、それだけ細かに分かれていると言うことは、それぞれの名称毎に変化した際のヒト含有率が変わるという事だな? ということは擬人化薬を使えばイルトミルジスとイチャコライチャコラと……


「素晴らしい計画だ! 『消費アイテム製作班』に命ずる。この三つの計画を最優先で進めろ! スライムの核の解析は後回しだ。回復薬の研究も先送りにして構わない。ただし、『紫の妙薬』の生産は続けてくれ。試薬の効果は上々だったから成分構成は問題ない筈だ。許可証は簡易だけど今俺が直接書こう」

「御意に、承りましたとも我が主!」

「…………報酬がある限り、俺はお前の力になろう」


 本当に、頼もしい事この上ない連中だな。ガルハイシュは俺に絶対の忠誠を誓っているし、長谷川も仕事人気質なため報酬を用意すれば絶対に俺を裏切らない。それだけの事情も聞いているし、信用は置ける。


「頼んだぞ、二人とも。『ヴィルキット』、そして俺の為に」


 俺は自分でも珍しいと思いながら長谷川とガルハイシュに手を向ける。長谷川は少々驚いたような様子だったけど、すぐに意図を察しておずおずと俺の手を掴んだ。ガルハイシュは涙を流さん勢いでガッシリと掴んできた。


「言っておく。俺は他人に触られるとアレルギーを起こす。それは体が拒絶反応を示す程にヒトが大嫌いだからだ。しかし、それを承知でお前に握手を求めた。この意味が分かるか?」

「…………お前の期待には応えよう。せいぜい俺を使う事だ」

「我が主! 光栄の極みでございます!」


 うむ。その意気で頑張ってくれ。俺としてもこういう仕事なら大歓迎だからな。趣味と実益を兼ねた仕事。実に有意義だと思わんかね?


 まったく……この分では異世界には恨みも持たなくてはならないな。


 好きになってしまうではないか、ヒトという生き物を。


 次回、とんでもない爆弾を落とすので期待してお待ちください。

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