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三回目に起こるイレギュラー  作者: Dark Revenger
一章:憧れの異世界が効率レベリングの場に変わるまで
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第一話:とりあえず俺を一人にさせてくれ

 どうも、Dark Revengerです。これからよろしくお願いいたします。

 今更だけど俺こと伊能錦はおかしな事態に陥っている。

 例えば、今。

 目の前では俺の写真が仰々しく飾られている。

 別に偉大な事をしたとか、歴史的大犯罪者とかではない。

 葬式だ。

 周囲に視線を回してみれば、喪服に身を包んだ家族や学校関係者、ちょっと知り合った美少女や美丈夫に賢い大人、師匠、弟子などなど……まあ普通の高校生には似合わない面々も含まれているけど、おおよそ俺の葬式に参加するような関係性の人々が揃っている。


 うん、それ自体は別に普通だよね。ちょっと早死にすぎるけど、ちょっと個性的な人が集まってますけど、場合によっては別に普通の葬式だよね。

 普通じゃないのは俺だ。何故目の前で俺の写真を飾った葬式が行われているんだろうか。

 いや分かっている。原因は知っている。

 だけどさー、思わず疑問もってもしかたないよねー。人間だもの。

 真面目な話、葬式に参加している人の数を除けばこの事態に陥ったのは二回目だ。


 そう、俺は一度死んだことがあるのだ。そして一度人生が巻き戻り、そしてまたしても死んだのだ。いわゆるやり直しだな。


 うん、うん、分かってる、分かってる。おかしいよなー、こんな事態。一度目ならまあなんらかの奇跡で天文学的な確率だけど有りえるだろう。だけど二度目とはこれ如何に。

 いわゆるループという現象に巻き込まれているんだろうか。最初の人生からこっち絶対普遍の趣味であるライトノベル(だけというわけでもないのだけど)では少しだけどそういうジャンルの物がある。大抵はファンタジーでそんなことが現代日本で起こった作品は生憎と見たこと無いけど。


 疑問に答える人はいない。周囲の人間は全員涙を流している。

 ちょっと? カミサマとかいう超存在がいるのなら返事しろよこら。全知全能のカミサマなら俺の身に起こっている事が分かるだろう。いい加減説明せえや。


 無体だ。


 もう少し建設的な事を考えよう。前回は俺の体が火葬場で完全に灰にされるまでこの状態でいられたから、次に何をすべきか考えよう。赤ん坊の時は脳が柔らかすぎて記憶は残っていても碌な考えが出来ないからな。今のうちに考えて覚えておけば時間という金で買えない資源がちょびっとだけ稼げる。


 前々回の失敗をふまえていた前回の人生はわりと旨く回っていたはずだ。忌々しい義務教育のクソ教師共に逆らって逆らってとことん逆らい続けて学校一の悪になったり、将来人格・才能共に優良な子を一年生の頃から友達にしたり、色々な事情で最初の人生では手が出せなかった本やアニメ見たり、三日坊主直して武道を習ってみたり、結構早いうちから名古屋や東京行ってアウトローと力比べをしたり女の子助けたりヤクの密売組織潰したり何故か弟子が出来たり頭もよろしいイケメンと友好関係を築いたりプログラミングに手を出してみたり学歴的意味ではなく純粋に頭の良い大人とコネクションを結んだり小説書いたり……


 うん、わりと充実していたな。

 じゃあ何故死んだのか?

 答え、調子に乗って『銃』という存在を忘れていたからだ。ちなみに前回の死因は確か心臓発作だ。本来なら高校生があまり気にしなくても大丈夫な程度のなんとかこんとか不整脈っつう後天性の持病みてえなのが長風呂の影響で悪化したみてえで気持ちよくアニソン歌ってたらいきなり胸が苦しくなってぽっくりだったな。もう少し健康的な生活を送っていればとその時は後悔したがまさかこんなことになるとはな……


 間抜けな死人話はそれくらいに、前回は確か黒い服を着た男に肩と腕を撃ちぬかれ、痛みで動きが鈍ったところでどたまに一発喰らって死んだんだ。子供助けるためとはいえ大きな犯罪組織なんかに個人規模で手を出すんじゃなかった。

 ちくしょう、あんな最後どうやって避けろって言……そういえば日常的にハエを見ていれば動体視力がアホほど上がるって何かの漫画で読んだ気がするな。今度は実家の裏山で生ゴミサバイバルでもするか? ある程度慣れたら警官から拳銃かっぱらって弾丸避ける練習しとこう。

 ああ、防弾チョッキを用意する、という手もあるか。裁縫はプロでも十分通用するレベルだし、ブツさえ手に入れば加工して帽子やヘッドギアに組み込むくらい出来るだろう。最後の方鍛治にも手を出してたから鉄板を仕組んだりするのもいいかもしれない。物凄く重くなりそうだけどそれならそれで修行にもってこいだ。自家製ぞうきん(錘入り)で学校の床をピカピカにしていた俺を舐めるなよ。意外に鍛えられるぞ、あれ。


 後は……よし、農業や漁業に手を出して知識を深めたりボウガンの仕組み解明して護身用に取っておいたり妹と仲良くするように注意しよう。出来ることなら弓も作りたいし使えるようになりたい。カッコイイし。


 後、どうも俺は幼少時に日焼けしなければ女性も羨む白い肌を獲得できるようだから美容にも気をつけよう。顔が男らしく無いらしいからもしかしたら中性キャラとか目指せるかもしれんし。男の娘って自分が納得しているなら利点しか無いからな。現実でそこまで可愛くなれるかと問われれば無理と答えるしかないが、まあ無いよりまし……というかこの半々二枚目とか言われる顔のままで生きていくよりかはなんぼかマシだろう。

 ああ、そういえばプラモもお父さんから習おう。塗装とかやってみたかったけど流石に欲張りすぎだとお母さんに叱られたから結局組み立てるだけになったからな。専用ザク制覇してみせるぜ!


 っと、そろそろ燃やされるな。小さい頃からお婆ちゃんやお爺ちゃんが多かったばかりか仲良くしてくれた近所のお姉さんとかお兄さんとかわりと若い人の葬式を何回も経験しているけど未だにこの場所の名前は覚えられねえ。あまりにも慣れすぎたから逆に覚えなくても良いとかいう思考ロジックになってんのか?

 まあ、いっか。三度目の人生、前の人生より確かに旨く生きてみせよう。








 なーんて思ってた時代が俺にもありました。

 なんだこの状況。

 三度目の人生が始まって早17年。始まる前に決めた様々なスキルを磨き、既に習得していたスキルをより強化したり、あいも変らず俺様ルールで人助けをしたりして、まあ楽しく暮らしていたさ。入学したのは通信制の学校だけど実質高校卒業資格の取れる専門学校って感じだから世間体が悪いという点以外は俺のような趣味人にとって天国のような学校だった。同級生やセンパイ方に悪い人(馬鹿はいたが悪意は持っていなかった)はいなかったし、入学に掛かる金を除けばタダでゲーム作ったり映像作ったり出来たから最高だった。

 俺の通っている学校は通信制の学校だ。故に一クラス(というより専科だが)の人数が一桁であることもざらであった。しかし、今日は同級生が一度に集まって高校卒業資格のためのお勉強をする日だった。既に三回分の人生を駆使した集大成である小説を何作か賞に出して作家デビューを果たしていた俺は座学に興味を向けられなかったため、その時間は暇で暇で仕方なかった。仕方ないだろ、三回目なんだから。


 その時、変化は起きた。

 クラスの中心に突然黒が広がったかと思うと、直後に身体が下に引っ張られる感覚に陥った。

 そして気が付けば、机や椅子、そしてクラスメイトに担当教師を除いたクラスの全てが消えて、代わりに大自然が広がっていたのである。


 それが現在。冒頭に繋がる訳です。なんじゃこりゃ。

 さてさてクラスは阿鼻叫喚……という訳でも無い。

 パニックになっている奴のほうが多いけど、それでもこの学校は性質上オタクの集まることが多いため、こういう状況に想像上慣れている人間も普通の学校の奴らよりかは多い。といっても俺含めて六、七人程度だけど。


 謎のジャングルに転移させられて十分くらいか、ようやく状況を整理し終えた先生が生徒に指示を出す。ちなみに二人いる内のおっさんの方だ。通信制という性質上、悲しいことに学力の無い子も集まるのよね。しかも個性が強いのばっか。それに対応するために同級生合同勉強の時は教師が二人から三人いるのだ。


「皆落ち着けー! 大丈夫じゃないかもしれないが今は大丈夫だ!」

「そ、そうだよ皆。まずは落ち着こう」


 先生の声駆けにウチのクラスの中心みたいなポジションの稲田が乗っかる形で落ち着けオーラの範囲を拡大した。その結果、徐々にであるが悲鳴その他が収まり始めた。

 先生と稲田を中心に人が集まる。ぼっちでネクラな俺は自然と外へ押しやられる。内輪は何やらわいわいがやがやこれからどうするだの家には帰れるのかだの会議もどきを始めた。流石社会不適合者の集まり。順応力が高すぎる。


 俺はその輪をニヤニヤ薄っぺらい笑みを浮かべながら眺める。別に他人の不幸を喜んでいるとかそういう類ではない。世にあるクラス転移物で通信制の高校のような特殊な環境が現実でも適用されてきた集団がこういう集団異世界転移現象に巻き込まれた場合、一体どういう反応をとるのか一物書きとして気になるのだ。


 俺が輪に参加しないのはぼっちとかそういう理由もあるけど、三回も人生を歩んでいるチート野郎の俺が初期段階から干渉するのは駄目だからというのもある。自分で言うのもなんだけど俺は同級生どころか並みの大人を凌駕するほどの頭脳を持っている。学力的な話ではなく物事をよく理解し最適解に導く事が出来るという意味だ。もっとも、俺は後者に至るまでの速度が遅いので胸を張って頭がいいとは口が裂けても言えない訳だけど。


 こういうイレギュラーはレギュラー同士が協力して解決するか壊滅一歩手前まで追い込むのが一番いい。下手に介助すると従うだけの傀儡になりかねないからな。操り人形に興味は無い。


 とりあえず、サバイバル初日で猛獣に対する警戒心皆無なクラスメイトの代わりに周囲を警戒する。並みの人間より強い自負のある俺だけど流石に魔獣とかモンスターと素手で戦えとか言われたら勘弁願う。それに、こういう独断専行なお守りは期間限定だ。ある程度の秩序と組織が出来て俺の価値を見出せたのなら手伝うのも吝かではないけどな。


 上から目線で何を言ってるって? 下手すれば教師より精神年齢が上の俺が上から目線で何が悪い。


 それに、俺は小説家だ。言ってみれば神の視点に立つ事が多いのだから職業病的に仕方ないだろう。


 お、話が纏まってきたな。

 どうやら状況の確認はやりようが無いためその点には目を向けず、これからどうやって生きていくかについての議論と、生徒名簿の作成に持ち物確認をしておくって方向らしいな。

 若干数名ヒステリーを起こしているヤツもいるが、まあその辺のメンタルケアは稲田や教師が解決するだろう。




 ジャングル転移(少なくともまだ異世界要素は無い)から数時間が経過した。

 俺を除く同期全員が参加していた話し合いの結果、ひとまず暫定リーダーとして教師二人を置いてその下に各専科のリーダー的ポジションだったヤツらを隊長とし、一般生徒が割り振られた役割をこなす事になった。

 割り振られた仕事とは、拠点の構築、食材の確保。以上である。

 もっと他にすべき事もありそうだが、中々良い手段だと評そう。素人の集まりがあれこれしようとすればまず間違いなく破綻するし、簡単な作業に集中して基礎を作ってしまえば助けを呼ぶ方法が見つかった時になんとかなる確率も上がる。少なくとも下手に狼煙を上げるなんて下策よりは賢い選択だ。


 拠点確保組はどうやら一緒に転移してきた椅子や机を使って簡易的なバリケードを作るつもりらしい。猛獣にとっては獲物を絡め取る檻にしかならんだろうけど、まあ精神的な意味合いもあるのだろう。可能性の低い襲撃より長期的に考えて蹴躓いたらヤバイメンタルを優先するのもまあ当然っちゃ当然だ。いざとなれば俺が助けてやらんこともないし。今はまだチュートリアルだ。


 食料確保組はオッサンの方の先生と共にガタイの良い男子組を中心とした班でジャングルを探索するようだ。いざ猛獣に襲われても一番なんとかなる可能性が高い班をってところだろうけど、ここを普通のジャングルと仮定するならむしろそのガタイの良さに隠れて足元の毒蛇に気づきにくかったりするんじゃないか? まあ覚悟の決まってないやつは置いてくという事だし、自分の意思で行くのなら俺がお守りする必要はねえな。それよか女子の多い拠点確保組を守る方が優先だ。


 ……と言っても暇だな。ポッケにスマートフォンは入っているけど当然の如く圏外&アンテナ皆無だから暇つぶしには使えねえし、アンドロイド入りウォークマンも持っているけど音楽聞いてると勘が鈍りそうだから不可能。本なんて論外だ。俺は深くのめりこむタイプだからな。読み終わったら周囲が血の海だったとか嫌過ぎる。


 そうだ、武器作るか。

 幸い周囲はジャングルだから木は無限にあると言っても過言ではないほど大量にあるし、流石に弓矢は専門道具なしだと実用性のある物は作れないが木槍くらいなら大型ナイフを使えば楽勝だろう。あ、ちなみに免許は持ってるから問題は無い。知り合いに頼んで手に入れた半違法なグレー免許だけど。


「伊能、話に参加してなかったみたいだけど、大丈夫?」


 早速腰に隠し持っていたナイフで適当な枝を削ろうとグリップに手をかけたタイミングで稲田が話しかけてきた。おお、今まで話しかけられなかったから忘れられてるのかと思ったぜ。


「大丈夫だ。俺の耳の良さは知ってるだろ?」

「ああ、三十メートル先で落ちた小銭の種類が音で分かるってヤツ?」

「そうそう。だから別に参加してなくても大体分かる」


 ちなみにこれは虚言ではない。最初の人生で手に入れられなかった本やアニメを求めまくったせいで金が無くなり、いつの間にか少しでも読材費を稼ごうと小さな金音まで聞き分けられるようになったのだ。


「でも、伊能は頭良いし、こういう状況に詳しいだろ? ならさっきの会議で何か言えることがあったかもしれないじゃんか」

「馬鹿言え、それじゃ面白くねえんだよ。いつも言ってるだろ? 『喰う寝る遊ぶ、その合間にほんのちょっとの人生』ってな」


 受け売りな上にパクリだけどな!


「……この状況でふざけるなよ」


 あら? なんだかご機嫌斜めなご様子の稲田君。どうやら俺の言動が不謹慎だと窘めたいようだ。


「あ? 俺は元々こういう奴だ。単なるムードメーカーだとでも思っていたのか? それに、お前が言ったとおり俺はこういうシチュエーションが大好きだ」

「だったら、もっと皆と協力するとか……」

「俺を皆と一括りにするな。普段のお調子者ぶりはただのコミュケーションツールだ。言った事無かったか? 俺はソロプレイのほうが得意なんだよ」


 俺の言葉に渋々ながらも納得して苦い顔のまま持ち場に戻っていく稲田。ま、気持ちは分かるよ。逆に言えば分かるのは気持ちだけだけどな。俺は俺なりに役に立っているんだからそうカッカすんなよ。


 邪魔者もいなくなった事だし、早速腰からナイフを抜いて適当な枝に切り傷をつけて思いっきりぶら下がる。俺の分の重力を肩代わりしてくださった枝はミチッという音と共にブチン! と根元が千切れた。幸いにして作業に集中していた同級生達には聞かれなかったみたいだ。あまり準備の進まない状態で騒がれても作業の邪魔にしかならないしな。


 適当な木の根っこに腰掛けて膝を台に見立てて枝を固定し、先端をサッサッと切り払って行く。この単純作業なら猛獣に対する警戒を怠る事も無く暇を潰せるな。削り取られた木屑というか樹皮というか、端材も焚き火のときに使えるだろう。流石に夜全員で寝るなんてボケた思考はしていないだろうし、歓迎されるはずだ。




 うーん我ながら良い出来だ。

 握りすぎで痛くなってくるまで槍作りと警戒を続けた結果、俺の目の前には十三本の木槍が並んでいた。途中で握りをどうすべきか悩んだけど見上げれば最適な材料が生い茂っている事に気づき、握りやすい位置をナイフで削った箇所に葉っぱを何重にも巻きつけてわざと潰して滲み出てきた汁を接着剤代わりに何回か同じ作業を続け、布を巻きつけたより力は入らないけどそのまま持つよりは何倍もマシ程度の握りが出来た。そうした工夫も織り込まれた俺の力作達だ。うーん、他のヤツに使わせるのがもったいない気がしてきた。


「あっれ? 伊能、何やってるんだ?」


 ヒクッ!? あ、危ねえ、もう少しで頬ずりしそうだった。

 作業のためずっと下に向けていた視線を前に直すと、そこにはおっさんの方の先生こと大谷先生が俺の手元にあるナイフと木槍を交互に見て不思議そうな顔をして立っていた。


「おお、大谷先生。どうです、俺の力作は。これで猛獣に襲われたときもある程度は安心出来るでしょう」

「いや、何で学校にナイフなんかもって来てるんだよ?」

「護身用です」

「……まあ役に立っているから今回は見逃してやる」


 ただし、無事学校に帰れたらきっちりと罰則だぞ。と怖い顔で念を押された。何さ、コレのおかげで武器が手に入ったというのに。

 っていうか、おっさんの大谷先生が帰ってきたって事はいつの間にか食料調達組も帰ってきてたのか?

 良く見れば周囲は日が陰ってきている。確かに帰ってくるには適当な時間だな。いつの間に……


「大谷先生、食いもんのほうはどうでした?」

「火を通せば食べれなくはなさそうな木の実やきのこがあったぞ」


 いや、きのこの中にはむしろ火を通すと毒を出す種もあるんだけど。ま、いっか。それで死ぬのは先生達だ。俺は三日食わずにいけるし、なんなら持参したカロリーメイトの一本をここで消費してもいい。明らかに毒キノコより栄養あるだろ。


「伊能も早く来いよ。皆待ってるんだぞ」

「は? 馬鹿じゃないの。この状況で単独行動取る我侭野郎なんて放っといて先に食い始めれば良かったのに」

「そういう言い方は駄目だ伊能。待っててくれただけありがたく思わないといけないぞ」


 チッ。まあいい、毒料理に手を出さなければ良いだけの話しだし、俺はいつものように給仕役に徹して誰が何を食べたか分からない状態の中食ったかと聞かれた時に食って無いのに食ったよと答えていればそれでいい。


 そう判断していつの間に作ったのだろうわりと大きな焚き火を囲んで今か今かと待ち構えている同級生共の輪に加わろうとした、その時。


 視界の端に何かおかしな物が映った。


 長時間座りっぱなしだったため少し痺れの残る腰を無理矢理動かして異変の先に身体を向ける。するとそこには……


 !! マジかよ……まさかまさかとは思っていたが、今まで兆候すら無かったのに、まったく……気が緩みきっている同級生がいるこの状況できちゃいますか……



 アルミラージ(角付き兎)の、群れ……


 どうでしたか?

 タグに付けていた通りこの作品は試作品です。詳しいことは後で活動報告に上げますので興味があればぜひ覗いてみてください。

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