脱出するのもメンドクサイ
すみません早めにと言ったのに遅れてしまいました。
申し訳ございませんでした。
いちよう活動報告にも書いていたのですが、念のためこちらでも伝えることにしました。
ヒューーーーーーーーーーーーードン!
ん、何だ?
突然足に強い衝撃が走り、思わず目が覚めてしまった。
しまったな、眠る前に面倒くさがらずに五感機能を全て停止させておくんだったな。
しかも今の衝撃のせいでさらに深く身体が沈んでしまったせいで、抜け出すのがさらに面倒臭くなってしまったではないか。
俺が憂鬱な気分になっていると上のほう(自分の頭上ではなく地上という意味で)から声が聞こえてきた。
「あのう、大丈夫ですか?総一さん」
オドオドしたような女の子の声だ。こいつが俺に衝撃を与えた張本人か?
そして俺は一言物申したくなった。
――頭から地面に突き刺さって膝から下だけしか出してない状態を見て大丈夫だと思えるのならお前は一度脳と目を医者に診てもらえ。
ていうか……。
「何でお前は俺の名前を知っているんだ?」
疑問に思って聞いてみた。
この世界に知り合いは居ない筈だ。
それなのに顔すら見えていない俺の名前を呼びやがった。
偶然にしちゃおかしいだろう。
そんなことを考えていると上から返答が返ってきた。
「すみません聞こえなかったのでもう一度お願いします」
……イラッ。
落ち着け俺、きっと地面の中から声を発していたから聞こえづらっかたんだろう。
「何でお前は俺の名前を知っているんだ!」
当社比二倍の声で言った。
これならさすがに聞こえるだろう。
「すみませんもう一度」
イライラ。
「何でお前は俺の名前を知っているんだ!!」
当社比三倍。
「もう一回」
イライライライラ。
「何でお前は俺の名前を知っているんだ!!!」
四倍。
「わん、もあ、ぷりーず」
イライライライライラ。
「何でお前は俺の名前を知っているんだ!!!!!」
六倍。
「誠に恐れ入りますが、あなたの電話番号を相手の方に通知してもう一度おかけの直しください」
イライライライライライライラ。
「何でお前は俺の名前を知っているんだああああああああああ!!!!!!」
十倍。
「ああああああああああだけしか聞こえません」
――プチン。
……あれえ?おかしいなあ?
何か切れた音がしたのに小型ロボットが修理している様子がないぞお。
あはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは。
………………。
「ふざけてんじゃねえぞ小娘がああああああああああああああ!!!!!!」
「ヒィッ」
小さい悲鳴がしたのを無視して俺は地面から脱出するためある兵器を起動させる。
「アフロ起動」
『頭爆弾起動コードを認証しました。レベルを設定してください』
「レベル2」
『了解しました』
アナウンスが終了すると俺の頭が外れる。
そして外れた頭はピーピーピーと音を発した後――
ドガァン!!
爆発した。
爆発によって発生した衝撃波で俺の身体は押し出されていき、そして――。
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そんな効果音がしそうな勢いの良さで俺は地中からの脱出を果たした。