自殺するのもメンドクサイ
やっと4話目投稿できた。
「総一、早く出てきなよ。お母さんもお父さんも心配してるよ」
剛よりも粘りが強いのか三十分ほど経ったにも関わらず、絶えず話しかけてくる幸恵にうんざりしていた俺は初めて言葉を返した。
「帰れ」
はっきり拒絶の言葉を言ってやった。
しかし幸恵は無視して説得を続ける。
俺は怠惰な生活を送るため生まれてからすぐに働いてやった。
あの三人に使い切れない程の金を稼いでやれば文句はないだろうとおもったからだ。
だが努力は無駄だった。
あいつらが金を受け取らなかったからだ。
しかも自分のために一生懸命になっていたのに、あの親子三人のために頑張っていると勘違いされていた。
やがて次々やってくる仕事に嫌気がさした俺はひきこもりになった。
そして説得にきた親子を追い返す日々が続いていった。
もう嫌だ。
何故俺がこんな目に遭わなければならない。
俺はもうこいつらから逃げられないのか。
俺は考えた。
あいつらから干渉されず済む方法を。
そして辿り着いた考えは一つだけだった。
そう人間も嫌なことから追いつめられて逃げられなくなったときよくやることである。
正解は自殺である。
その考えに至ってからの俺の行動は早かった。
幸恵が造った俺のパーツを壊す武器を考えるのも造るのもメンドクサイので人工知能を壊すことにした。
高性能のウイルスを作りだしてもプログラムが発動して破壊されてしまうので、まずはエラーを起こさせた。
やり方は幸恵が俺に知識を覚えさせていた方法と似ている。
剛の身体能力を利用して高速で意味の無い文字をプログラミングしていき、容量オーバーでエラーを起こさせ、その隙に自作のウイルスで人工知能を破壊することに成功した。
俺の体が動かなくなり、視界が歪んでいく。
ああ、これで俺もやっと楽になれる。
そして俺の意識は完全に無くなった。