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体重計もメンドクサイ

久しぶりの早め投稿。次もこのくらいの早さで逝きたい。うん、わりとガチで。

 さて今度何も出てこなかったら中小娘にリュックサックを投げつけて放置しよう。そう思いながらリュックサックに手を突っ込み徳積みゲージの名前をイメージする。……お、今度は何かに手が触れた感覚がした。手で触れた物をしっかりつかみそのまま手をリュックサックから引っこ抜くとおっさん・・・・の顔が付いた体重計・・・・・・・・・が目の前にあった。

「よお、お前が総一か……ってオイ何してんだああああああああああああ!?」

 はっ、しまった思わず投げてしまった。……いや、俺は正しいことやったはずだ。あんなおっさんの顔が付いた体重計が徳積みゲージなわけがない。きっと疫病神オーディンふざけて入れたガラクタだろう。うんきっとそうに違いない。おれはリュックサックからいらない物を捨てただけだ。

「そげばっ!!」

 俺が投げた体重計は20メートルぐらい離れた所の木の幹に衝突していた。今、短い悲鳴が聞こえたが気にしたら負けだ。

 俺は疫病神オーディンにクレームを入れるためにまた中小娘からガラケーを借りた。

「ふざけたもん入れてんじゃねえよ疫病神オーディン

「なんかデジャブを感じるね」

 デジャブを感じてるのは同じような事を俺に言わせてるてめえのせいだ。

「てめえ人投げ飛ばしといて何暢気のんきに電話してんだこらあああああああ!!」

 体重計が小さな手足を生やして俺の方に全力ダッシュしていた。気にしたら負けだ。

「それでふざけたものってなんのこと?」

「おっさ「おい聞こえてねえのか!?てめえのことだよ総一!!」

俺の足元にたどり着いた体重計が投げられたお返しとばかりには小さな足で蹴りを入れてくる。気にしたら負けだ。

「ごめん、聞こえなかったからもう一度言ってくれない?」

「…………ちょっと待ってろ」

「おっ、やっと俺の話聞く気になったか……ってお前まさかまた俺を投げ飛ばす気か!?」

 足元で俺への怒りをぶちまけていた体重計を鷲掴わしづかみにした。

 安心しろ俺に二度同じこと言わせようとした奴にそんなんで済ますわけないだろう。

「てめえは開発者に――」

 体重計を軽く空中に放り投げ――

「――電話中は静かにしろって教えられなかったのか、このクソ体重計がああああああああ!!」

「べばっ!!」

 ――上空に向けて殴り飛ばした。俺はアッパーをしたような体勢のままで思った。

 結論、気にしても勝てた。

 やれやれこれでやっと静かに会話ができる。

「待たせたな」

「いや時間的に言えば全然待ってないから良いんだけどなにやってたの?」

「お前がリュックサックに入れてたガラクタの処分」

「……うーんガラクタなんか入れた覚えがないんだけどなあ?さっき聞きそびれちゃったんだけど結局ガラクタって何のこと?」

「おっさんの顔が付いた体重計」

「……………………えっ!?」

 おい何でそこで驚くんだよお前が入れたもんだろう。

 少しの間無言の時間が続き、やがて疫病神オーディンが口を開いた。

「……非常に言いにくい事なんだけどね」

「ああ」

「君が処分したっていうそのガラクタが徳積みゲージなんだけど」

「……………………はあああああああああああああああああ!?」

 どうやらガラクタだったのは疫病神オーディンの頭の方だった。

「ちゃんとリュックサックは使えるようになってたんだね。よかったよかった」

「よくねえよ!あんなふざけたデザインならちゃんと使えるようになってても分かるわけねえだろ!シンプルなデザインにしとけやっ!」

「総一君、世界は意外性を求めてるんだよ」

「少なくともおっさんの顔が付いた体重計なんぞ世界は求めてねえよ」

 もうやだ、この疫病神オーディンろくなこと考えてねえ。ん?

「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!――あがばっ!!」

 上空に向けて殴り飛ばしたおっさんの顔が付いた体重計が顔の肉(?)を風圧で激しく震わしながら落下してきて、最終的に顔面を地面に盛大にぶつけて帰ってきた。

 戻ってきた体重計を見て思ったのだが、本気ではないにしろ俺に殴られた上に、かなりの高さから落ちてきたのに壊れてないどころか傷一つないとかかなり頑丈だな。デザインさえまともなら頑丈さをウリにした体重計として売り出せるんじゃないだろうか。

 …………いやそもそも体重計そんなに動かす物ではないし頑丈さ必要ねえわ。いや、ていうか手足もいらないし、喋る必要もない。

 結論、あの体重計自体いらん。

 俺はあることを疫病神オーディンに伝えるため話に戻った。

疫病神オーディン

「何?」

「チェンジで」

「却下」

「お前いい加減にしろよ!二度も俺をあんな目に遭わせやがって!!」

 思ったより早く復活した体重計がまた俺の足元でまた性懲しょうこりもなく暴れたが、次電話中うるさくしたら地面に埋めると言ったらおとなしくなった。

 ふう、こいつがチョロくてよかった。じゃないと穴掘りなんぞメンドクサイことをやることになっていたからな。

 まあ穴なんぞ頭爆弾使えばいくらでも掘れるけどな。 

 俺は体重計のチェンジについて疫病神オーディンと話し合いを始めた。


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