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プロローグもメンドクサイ

どうも御鷹盛吉です。これからよろしくお願いします。

 日の光が窓から差し込んできて俺の意識は一瞬覚醒しようとするが、布団をかぶり再び意識を闇に

落とそうとする。

 しかし俺の惰眠(だみんを邪魔するのは日光だけではなかった。

 ドアの向こうからドンドン、ドンドンと、穏やかではないノックの音が聞こえた。

「おい総一そういち!起きているんだろう、さっさと学校に行くか、仕事の手伝いをしろ!」

「うっせえ糞野郎、なんでそんな面倒臭そうな二択しかないんだよ。顔洗ってでなおしやがれ」

「なんだと、貴様親に向かってその口のきき方はなんだ」

「はいはい、聞き飽きましたし、俺を造り出したのはお前じゃないだろう。つーかもう喋るのメンドクサイので話終わりにしてもいいですか?」

「いいわけあるか!」

 さっきから怒鳴り込んでくる声の主は江田えだつよし、俺の父親(自称)である。


 この剛という男は人外級の武術の腕の持っている人物である。人外級の武術の腕とはどれほどのものなのかと問われれば、あの男は迷いなくこう答えるだろう。

『人外なんてとんでもない。自分ができることなんて銃弾を避けたり、拳から放つことができる衝撃波で岩を壊すことぐらいですよ』

 な?どれくらい人外か分かっただろう。


 ちなみにそんな男が俺の部屋のドア壊して部屋に無理矢理侵入してこないのは剛の妻にあたる人物、江田えだ咲苗さなえに、

『あなた、これ以上ドアの修理費なんて無駄な出費を増やすようなら、私そろそろ離婚を考えてもいいかしら?』

 と、言われたそうだからだ。ざまあ。


 咲苗も剛の妻なだけあって普通じゃないレベルまで達しているものがある。

 それは家事である。

 あの女は4LDKのこの家を十分もあれば家全体をきれいにしてしまうし、手料理は食べると三ツ星レストランに金を払って飯を食うのが馬鹿らしく思えてくるほどのものをつくりあげてしまう。


 やがて、黙っているうちに諦めたのかドアの向こうから声がしなくなった。

 やれやれこれでやっと眠れる――

 コンコン

 ――と思っていた時期が俺にもありました。

「総一起きてるー?」

 ドア向こうから弾むような明るい声で話しかけてきた人物は、江田えだ幸恵ゆきえ、俺の姉(もちろん自称)である。

 幸恵もあの二人の子供なだけあって、(メンドクサイので以下略)

 それは頭脳である。

 あいつは新ウイルスが発見されたら治療薬を一時間もあれば開発してしまい、瀕死の人間が居れば自分の開発した機械やら治療薬を使用して健康そのものの状態にしてしまう。

 そしてなによりあいつは、この俺、江田総一というロボットを造り出した張本人であり……。

 俺が最も恨んでいる人物でもあった。

 

 


   

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