表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/6

第6話:現場監督とお節介な助手

第6話:現場監督とお節介な助手


「よし、これで『排水計画』の第一段階は完了だ」

 俺は額の汗を拭い、目の前の『石畳の道』を見つめた。

 スキルレベルが3に上がり、施工範囲が広がったおかげで、村の中心から海岸までの「舗装」が一気に終わったのだ。

「キロル、また一人で難しい顔して土いじり? もう、せっかく私が『お弁当』持ってきたのに」

 後ろから声をかけてきたのは、幼馴染のシシリーだ。


 アルカ族の中でも一際明るい黄金の髪をなびかせ、彼女は俺の作ったばかりの「服」を着て立っていた。

 だが……。

「……シシリー、その格好」

「え? キロルがくれた服だよ? 動きやすいように、ちょっとだけ自分流にアレンジしたんだけど……変かな?」

 彼女が着ているのは、俺が支給した麻の服を改造した、ショートパンツ風のボトムスと、肩を大胆に露出したノースリーブ。

 「服」という概念を知らなかった彼女たちにとって、布をどこまで切るかは自由らしい。白い肌が眩しく、俺は思わず視線を泳がせた。

「い、いや、変じゃないけど。……少し、露出が多くないか?」

「ふーん? さっきまで全裸で走り回ってた幼馴染に、今さら何を照れてるのかなー?」

 シシリーはニヤニヤしながら顔を近づけてくる。


 ……これだ。前世の三十六年間には存在しなかった、この「幼馴染からの距離感」。正直、耐性がなさすぎて現場監督の威厳が台無しだ。

「と、とにかく! これからはシシリーにも手伝ってもらうぞ。この島を広げるには、俺一人じゃ手が足りない」

「うん、任せて! キロルのやることは全部応援するって決めてるから!」

 彼女は天真爛漫に笑い、俺の腕に抱きついた。……柔らかい。いや、集中しろ、俺。

 

 俺はシシリーを連れ、新しく開通させた道を歩いて島の奥地へ向かった。

 道が整備されたことで、移動速度は劇的に向上している。それと同時に、スキルの「支配領域エリア」も道に沿ってじわじわと広がっていた。


「キロル、見て! あの崖のところ、色が変だよ?」

 シシリーが指差したのは、島の北側にある切り立った岩壁。

 俺は操作画面ウィンドウの『地質調査モード』を起動した。

『資源反応を確認。――対象:【高品位・鉄鉱石】』

「……ビンゴだ。鉄鉱石か」

 今までは帝国船の廃材をリサイクルして凌いできたが、自前で鉄を確保できるとなれば話は別だ。

 鉄があれば、道具の強度が上がる。道具が強くなれば、さらに大規模な建築が可能になる。

「これが『鉄』になるの? キロルが言ってた、あの硬い剣とかの材料?」

「ああ。それだけじゃない。鉄があれば、もっと温かい家も、重いものを運ぶ車も作れる」

「すごい……。でもキロル、あんな高いところにある石、どうやって採るの? また穴を掘る?」

 シシリーが真顔でツッコんでくる。

確かに、人力で運ぶには効率が悪すぎる。

「いや、道を作ったなら、次はこれだ」

『建設ユニット:【木製トラス橋】および【滑車式昇降機】――施工開始!』

 岩壁と村を繋ぐ谷に、巨大な木の橋が架かっていく。

 シシリーはその光景に、「わぁ……!」と目を輝かせ、無意識に俺の手をギュッと握りしめた。

「ねえキロル。この道がどんどん伸びていったら、いつか海を越えて、あの大陸まで届くのかな?」

 シシリーの純粋な問いに、俺はバロウが語った残酷な世界の姿を思い出す。

 

「……ああ。届かせるさ。ただし、ただの道じゃない。誰もが奪われずに済む、平和へ続く道だ」

 鉄を手に入れ、インフラを整える。

 俺の「世界リフォーム計画」は、着実に、そして加速しながら進んでいく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転生 内政 チート 領地経営 ざまぁ 成り上がり 男主人公 ハッピーエンド 建築/建設 幼馴染 世界征服 箱庭 全裸部族 文明開化 元現場監督 身分差逆転
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ