第3章 再王制の構想:ヘンリー王子を元首とするアメリカの未来
※本稿は思想実験としての風刺的随筆です。
実在の人物・制度への支持や否定を目的とするものではありません。
ただ、もしアメリカに王がいたら――という想像を楽しんでいただければ幸いです。
導入
歴史はしばしば、最も否定したものを、最も洗練された形で再生させる。
アメリカにおける「再王制」の議論は、決して奇想ではない。
それは理念の破綻でも、理想の裏切りでもなく――
むしろ民主主義が自らの完成形として王制に回帰するという必然的帰結である。
ヘンリー王子をアメリカの元首とするという構想は、
一見すると荒唐無稽に見える。
しかし、アメリカ史の文脈に置けば、これは驚くほど論理的である。
なぜなら、アメリカはすでに「大統領という選挙王」を持ち、
「メディアという王宮」を持ち、
「大衆という貴族階級」を形成しているからだ。
制度の形式を整えるだけで、王制はすでに存在している。
この章では、思想実験として――
ヘンリー王子をアメリカの象徴元首とする仮想国家モデルを構築する。
それは現行の共和制を否定するものではなく、
むしろその延長上に生まれる「ポスト民主主義の秩序」として提示される。
すなわち、選挙によらず、感情によって選ばれる元首。
これこそが、21世紀の政治がたどり着く究極の形式――感情君主制である。
本章の構成は次の通りとする。
1.3-1 理念の限界:民主主義が象徴を要請する瞬間
2.3-2 ヘンリー王子という装置:血統の脱構築と再利用
3.3-3 制度設計:感情君主制アメリカのモデル
4.3-4 小結:自由の終焉と“幸福なる臣民”の誕生
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次章では「理念の限界:民主主義が象徴を要請する瞬間」をテーマに、さらに深く掘り下げていきます。




