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安心してください! 偽聖女だと私を追放した殿下の判断は正しいですよ!  作者: 桜井ゆきな


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(第17話)最近国境警備隊が浮ついている!ってなぜだ?~クラウド王国~

 「シエナちゃん! 今日の夕飯は何~?」


「今日は『ガツンと豚丼だよ!』って、リリーさんが言ってました!」


「そっかぁ! シエナちゃんが作ってくれるなら何でも嬉しいなぁ」


 ……由々しきことに、最近国境警備隊が浮ついている。

 どいつもこいつも『シエナちゃん、シエナちゃん』と目をハートにしているのだ!


 「メインで作ってるのは、私だよ!」


「食堂のおばちゃんリリー先輩!! お疲れっす!! 自分訓練の時間だったので、失礼しやす!!」


「おばちゃんは余計だよ! しっかり励んでお腹を空かせてくるんだよ!!」


 ナイスだ! 食堂のおばちゃんリリーよ! 

 まったくあいつら油断も隙もなく、すぐにシエナ嬢と話そうとするからな。


 「シエナ様。髪の調子はどうですか? そろそろまた切りますか?」


 うおおーい! どこから出て来たんだ、ジョン!! お前もか!! お前もシエナ嬢のファンになってしまったのか!


 「ジョン様。ありがとうございます。でもまだ大丈夫そうです」


 ナイスだ! シエナ嬢!! この間もジョンに言われて1ミリカットしてたもんな! さすがにまだいいよな!


 「シエナ様。今度はインゲン豆を植えてみたので、時間がある時に見に来てくださいね」


 うおおーい!! 庭師のベンよ!! お前もか!! どうりで最近庭に野菜がめちゃくちゃ植えられてると思ってたんだよ!! シエナ嬢に見に来てもらうためだったんかい!!



 「……隊長。先ほどからのストーキング行為が、さすがに目に余ります」


「うおおーい!! ってセバスか!!」


「食堂で聖女様をストーキングするのは止めてください」


「なっ、ななななな、何を言うんだ! 俺は決してストーカーなどではっ!!」


「シエナちゃん! 熊さんがまたシエナちゃんに会いに来たみたいだよ」


「食堂のおばちゃんリリーよ! 俺のことを熊さんと呼ぶのは止めろとお願いしているだろう!」


「熊さ……隊長さま」


「シエナ嬢も!! 今、熊さんって、熊さんって呼ぼうとしただろう?」


「すみません。つい。……てへっ」


 てへっ、って! てへっ、って! 可愛すぎるだろ~!!


 「隊長。仕事が溜まっているので執務室にお戻りください」


「何!? さっきすべて片づけて来たのにか!?」


「仕事に終わりなどないのですよ。空いている時間があればいくらでも出来ることはあります」


「この仕事の鬼め!!」


「さぁ。戻りましょう!」


 仕事出来すぎ眼鏡セバスに執務室に引きずられながら、俺はシエナ嬢を見た。


 「シエナ嬢! 良い午後を!」


 シエナ嬢は通常運行で聖白百合を咲かせながら、にっこりと笑ってくれた。


 「隊長さまにたくさん食べていただけるように、頑張って玉ねぎの皮をむきますね!」


 はぁ。可愛いなぁ。幸せだなぁ。


 「隊長。以前も申し上げましたが、一方的な好意は相手によっては恐怖を感じますよ」


「仕事出来すぎ辛口セバスよ! 自惚れでなければシエナ嬢も俺のことを熊のぬいぐるみ以上には思ってくれているのではないかと思うのだが、ど、どどどどどどどどうだろうか?」


「知りませんよ。本人に聞いたらどうですか?」


「無情!! 本人に聞くだなんて、はははは恥ずかしいじゃないか!」


「成人男性が何を言ってるのですか? 職務を放棄して食堂でストーキングしている方がよっぽど恥ずかしいですよ」


「ひー。辛辣だけど正論!! ぐうの音も出ないじゃないか。ぐー」


「そんなに聖女様が好きならプロポーズしたらいいじゃないですか」


「……はっ? セ、セ、セ、セ、セ、セバスったら突然何を……」


「proposeです」


「いや、めっちゃ発音いいな!」


「照れます」


 セバスが、あの沈着冷静眼鏡のセバスが、眼鏡くいっをしながら頬を赤らめている!! トゥンク……。って、セバスにときめいてどうするんだ! 落ち着け、俺!!


 「冗談は置いといて、いきなりプロポーズなんて、その方が恐怖を感じるだろう?」


「では、素直に告白をすれば良いのでは?」


「セバスよ!! こ、こ、こ、こ、告白だなんて!! そんな甘酸っぱいこと……そんなのまるで青春じゃないかー!! 来る日も来る日も訓練に明け暮れていた俺には決して発生するのことのなかった青春イベントじゃないかー!!」


「隊長が浮ついていては国境警備隊の士気にも関わりますので、玉砕するなら早急に玉砕した方が良いと思います」


「ひー。辛辣。ってか、フラれる前提なの!? 俺!!」


 ……でも確かに、ここ最近は俺自身がシエナ嬢を見るだけで心臓がドックドックとヤバめの音をさせていて、自分で自分が怖いのも事実……。

 ダメならダメで潔くきっぱりとフラれた方が良いのかもしれない……。


「よしっ! セバスよ! プロポーズ……ではなくて、告白大作戦だ!!」


「隊長から聖女様へのlove confession大作戦ですね!」


「いや、発音良すぎだし、言い方カッコよすぎだな!!」


 セバスは、仕事ではとてつもなく心強いパートナーだ! だけど、恋愛の相談相手合ってるか? 俺!! 

 まぁ、何はともあれ、覚悟は決めた!! 次回はシエナ嬢への告白大作戦決行だ!!



本作をお読みくださいまして、ありがとうございます!

誤字報告・感想での誤記のご指摘等大変助かります!

(感想への個別のご返信ではなくこちらでの御礼にて失礼します)

ご指摘いただきましたが修正されていない部分につきましては、こだわり等もございますのでご容赦いただけますと幸甚です。


皆さまからの「感想・評価・いいね・誤字報告」等すべてに感謝しております。

引き続き本作をお楽しみいただけますと幸せです。

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― 新着の感想 ―
へ、平和〜〜〜! シエナちゃんにようやく訪れた穏やかな日々にニッコリです。
これは浮つきの極み(笑) 向こうのお国の状態と対照的ですね( ´艸`)
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