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日常のはじまり

貧民窟の路地の奥の朝。名無しの酒場の厨房に立つ吟遊詩人が居た。フライパンに炭を弱火で、卵とミルク、メイプルシロップに漬け込みクルミの入ったパンを焼く。フレンチトーストである。

隣ではベーコンとハーブの入ったソーセージを焼く。ミニトマトと苺はテーブルの皿の上。

「先生、おきて下さい、朝食ができましたよ。」店主は厨房の傍らににある書斎から出てこない。

詩人はフレンチトーストの皿を持ち裏の勝手口を開けへりこんだ乞食の前に置いた。ドアを閉め、今度は書斎ドアを開ける。狭い部屋でズラリと並んだ書庫は地震がおきたら、本に埋もれて身動きとれないだろうと、詩人は嘆息する。

ベッドに毛布に包まった店主に、詩人はベッドに腰掛けて

「先生!起きて下さい!フレンチトースト作りましたよ!」揺さぶった。

がばっ。店主は半身起こし、いきなり詩人の手を握る。

「訴えるなよ!」そのまま詩人を抱き寄せた。

「キスしたい!キスしたい!」朝からなんだよ。詩人は店主を緑色の目で叱った。

「握手はいいんだな!訴えるなよ!」両の手でがしりと握り締める

「はい。」詩人は微笑む。

「あと1時間寝る」店主はまた毛布に包まりベッドに倒れた。

「もう、先生ったら…。」拗ねた声を出し、書斎から出て、テーブルにつく。窓からは朝の光が差し込んでいる。朝食の前に手を組み。

「…一日の始まりに感謝。」祈る。

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