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序章


ーーーとある学園で怪異による封じ込めが起きた


「おい、ドアがどこもあかないぞ!?」

「携帯も繋がらない…」

「他の皆ともはぐれたみたいだ…」

「え、どうするの?私達閉じ込められてる!?」


窓の外は夜でもないのに暗く闇と静寂に包まれている

ドアは開かず、窓も割れない

出口は完全に塞がれ、電波も絶たれた学園で生徒達はパニックに陥っていた


「ーーーやっぱりこの廊下非常ボタン辺りでループするみたいだ」

「永遠に続く廊下か…そういえば、前の徒競走別のクラスだったから勝負つかなかったよな」

「「じゃあ、3周して速かった方の勝ちな」」


…ごく、1部を除いて。



◇◇◇



昼下がりの5限目。

多くの生徒が眠たさを誤魔化しながら、ぼんやりと授業を受けているそんな時だった


調子が外れた授業終了の鐘が鳴り響く


その事に違和感を感じつつも、授業後の開放感からがやがやと騒がしくなる


放課後どこに行くか何をするかで教室内が盛り上がる中、視線を集めながらもお互いにしか興味が向いてない様子で話す2人がいた


「アカ〜今日家くる?師匠も居ないし、キッチン使えるからなんか一緒に作ろ?」


白銀の髪をさらりと垂れ流しながら、机に頬杖をついてもう1人の男を見つめる彼


アメジストのような瞳と黄金に近い瞳、そして人間離れした見た目に薄い氷のような声。それらを裏切るようにアカと呼ぶ声は柔らかく弾んでいた


「いいな…食材の調達と、後はどこかに寄るか?真白はどうしたい?」


アカと呼ばれた男は硬そうな黒髪に硬質な赤色の瞳を和らげながら問いかけた


ひそひそと彼らの周りで2人を噂する声が聞こえる



真白とアカはふたりでいるときが一番楽しそうだった。普段は真面目で近寄り難い鋭利な印象だか、二人揃うとイキイキして悪ノリしたりふざけ合う様子をよく目撃する


誰がどう見ても釣り合いが取れている2人組だ。

人外美の中性的な見た目の真白と、男らしく落ち着きのあるアカ。場を動かすのが得意な真白に自分が動くことで場を動かすアカ


どちらも文武両道、才能を持ちながら努力する姿勢も実力を伴う言葉も影響力も申し分ない

皆から尊敬され、高嶺の花と言うべきかある意味畏怖の対象として見られるふたりが揃うこのクラスに注目が集まるのも無理は無い


そしてその中心にいるふたりは、視線を集めることに慣れているのかこれからの事にどんどん会話が進んでいく


それが日常だった


少なくても今日までは


◇◇◇


事件が表面化したのは、ドアが開かないと風紀に報告が入ってからだった。


調べた結果どこのドアも開かず、窓も固定されているのかピクリともしない


イレギュラーに真っ先に対応したのは2人だった。

アカが状況の確認をしてまとめ先生に報告し、真白が生徒の混乱を鎮静した。


ただ、状況は悪化の意図を辿った


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