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女子で密かに人気な子

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

多分きっと、両思い。

女子で密かに人気な子がいる。物静かで、物腰穏やかで、気遣いの出来る人だった。でも何となく底が見えない。多分、万人に優しい博愛主義者。特定の人だけに優しい訳では無い。けれども人間と言うのは不思議なもので、『自分だけに優しい』と勘違いする人も一定数いる。


そんな彼と二人で買い出しをする事になったある時の事、彼はやはり私を気遣って、ペットボトルがぎっちりと入った、重たい方の袋を両手に抱えていた。

「……途中で交代しよう」

ところで私はスナック菓子しか入ってない。軽い袋一つである。気を使ってくれるのは有難いが、流石に罪悪感が先行してする。

彼は少し目を逸らして沈黙した。考えている事が何となく分かる。さしずめ『女の子に重いもの持たせるのは……』、『でもこれ言ったら格好付けてるとか言われそうな』と言ったところ。

「安心して良いよ。吹奏楽部ってね、重たいの結構運ぶから」

吹奏楽部の女子の底力を舐めないで。

「じゃあ、お言葉に甘えさせて戴いて」

そう言って、重たい袋を一つ差し出した。流石、女子の間で話題になるくらいには、気遣いが出来る。これ以上突っかかるのは、なんだか失礼な気がして、私は黙って袋を交換した。

「君は優しいね」

「それは貴方の方。……ははは。貴方、帰ったらきっと、ペットボトルの蓋を開けてから、周りに渡すでしょう? そういうの、私達はとても嬉しいの」

それから何となく一緒に帰った。


密かに気になっている子がいる。勉強が出来る、と言うよりも対人関係において頭の良い子だった。周りを良く見てる。変な勘違いをしない。導いた答えは常に正確。だからきっと、私が誰か特定の人に優しい。という訳では無い事も知っているだろう。

「貴方の優しさは、きっと生まれついてのもの。人誑しって、そうなの。私が幾ら頑張っても、貴方の様にはなれないよ。だから誇っていい事なのだけど、博愛主義者は理不尽な目に逢いやすいから気を付けてね。生まれついてのものだから、直せないだろうけど」

その通り。面倒事が嫌い。好かれた方が波が立たない。だから万人に優しく、物腰を柔らかくしている。それでも勘違いさせてしまう事がある。『そんなつもりじゃないんだ』というあの言葉。あれ、一体人生で何度使った事だろう。

「君が好きになる人は、きっと頭の良い人だろうね。だからきっと、口説くのも苦労するだろう」

君、私がどんなことしたら好きになってくれる? 何をしたとしても『ははは、それ私以外のお人にもするでしょう?』と笑われそうな気がする。本気になってくれない気がする。

「私を落とすのは簡単だよ。ガチな目をして『好きです』って言われたら、すぐ落ちる」

そうして見据えた目は、射抜くように真っ直ぐだった。

自分に甘い、優しいと思ったら、周りの人にもそうなのか、ちゃんと見る事です。

下手な傷を負わない為の予防線ですね。


二人で買い出しに行った話ですが、別にこの子が相手じゃなくても重たい荷物を持ったことでしょう。


そういうところだよ( ˙-˙ )


これ、生まれついてのものだから直せません。

だから彼が本気で好きになった時、相手が『自分以外にも優しい』と思ってる相手なら、きっと苦労することでしょう。


でもね、『自分以外にも優しい』と分かってない子を、彼は好きになるのかな。

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