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青い選手

 スティックからクワに持ち替えた佐藤は種を市場へと買いに行った。落花生農家なのだから別に落花生と切れていたらネットとかブルーシートを買えばいい話である。しかし、浮き足立っているときは何かと重くしたくなるようで市場の脇の駄菓子コーナーでサイダーを飲みたいとそこまで思ってもいないくせに一本買って102円くらいを擦った。


 晴れた空を見上げながら動く雲を眺めていると隣でさっき聞いたような音が聞こえ、そちらを見ると倹約をせずに無鉄砲な者のイメージを与えられがちな高校生がここで安く買ってから隣に座ってコーラを飲んでいた。


強い炭酸を若い喉で殺して飲みきって、すぐに立って日陰に停めてあった後輪に指定ステッカーのついた自転車に乗ろうとした。すると、鍵が甘くポケットに入っていたせいでするりと落ちて小さな鍵が剥がれかかったアスファルトが小さな音を立てた。


「おーい、鍵を落としてるぞ」

声に気付いた自転車は音をたてて停まり、高校生は自転車を押してこっちに持ってきて軽く会釈をした。


「これは家の鍵です。ありがとうございます、助かりました」

今度は落ちないように高校生は大きなスポーツバックに鍵を入れたが、ちょうど開けたあたりで弱い風が吹いてきてこちらに皮脂のにおいが乗ってきて覗きみた中には脇差しほどの簡単な武器があった。


「おう、灼仗部か。熱中症には気をつけろよ」

この手の競技出身者は同じ経験者だった場合には基本的に自分の良く使っていた戦術をひけらかしたがる。佐藤はどこの高校に通っているのかを聞いたあとに例に漏れず自身の戦法を話し始めた。


「おれはトビ(※魔法攻撃のこと)はあんまり強くないから、たいていトビを撃ち落としつつブン殴ってやるんだよね。みんな花形のトビばっかやりたがるからさぁ」


「市民アリーナのイベントの終わったあとにやった一般の人が結構似たようなことをやってましたね。」


すると身分をとうとうおっぴろげたくなった佐藤はそれがおれだと口走った。すると、眼の前の母校の後輩は出稽古に誘ってきたから二つ返事で答えた。佐藤は晩になってからようやく相当に疲れることを了承してしまったと感じながら床についた。


作り置きはもうないよ~

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