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17 導き


 いつの間にやら、フードのお嬢さんとは相席に。


 ちなみにお嬢さん、パフェは完食済み。



「何で性別まで分かるの」

「あなた何者?」


 性別なんて、声を聞けば誰でも分かると思うけど。



『私じゃ声からも判別出来ないよ』

『凄い認識阻害能力』

『ミュンシェラさん以上かも……』


 へえ、アンチさんがそう言うなら、間違い無く特務司法官イチのミュンシェラさん以上の隠密能力持ちなんだ。


 お嬢さん、スゴいね。



「お嬢さん……」


 えーと、合ってるよね。


 お嬢さまとかお嬢ちゃんの方が良ければ。



「モルガナと呼ぶべき」


 はい、こんにちはモルガナさん。


 これからよろしくね。



「よろしくされたくない……」


 まあまあ、同じパフェを食った仲ってことで。



「あなた、食べてないでしょ」


 じゃあ、おかわりを注文するから、一緒に食べましょ。



「この人、なんなの?」



『えーと、たぶん口説いてはいないと思うよ』

『歳相応にお節介なだけ』



「歳相応……」



 はい、パフェ×3人前到着。


 どうぞ、召し上がれ。



 ---



 甘ーい。


 まあ、パフェですから。



 こういう綺麗なガラスの器は、こっちの世界ではそれなりにお高いそうです。


 流石に木の器とかだと雰囲気台無しだよね。




「女子率の高いカフェでパフェをむさぼり食うおじさん」

「まさに勇者」


 お褒めに預かり恐悦至極。



「褒めてないし」


 まあ、この場で浮いてる者同士、仲良くしましょ。



「浮いてないし」

「乙女に向かって失礼な」


 いや、その出立ちだと、乙女どころか不審者そのもの……



「怪しげに見えるのは重々承知だけど、職業上の理由あり」

「私は、ただの導き手」


 つまりは、占い師なんでしょ。


 しかも"ただ"ってことは無料の。



「この人、苦手……」


 よく言われますよ。


 おっとモルガナさんってもしかして、巷で噂の、謎の凄腕占い師!



「導き手だってば」


 はて、どう違うの?



「見えた運命をそのまま提示するのが占い師」

「道を選択するのは、その人次第」


「運命についてアドバイスするのが導き手」

「アドバイスに従うかどうかは、その人次第」


 ふむ、なるほど。


 例えば、結婚相手についてなら、


 メリット・デメリットをそのまま伝えるのが占い師。


 極力良い方向に持っていこうとしてくれるのが導き手ってことかな。



「大体そんな感じ」


 俺も、導いてもらえる?



「パフェの分くらいは」


 よろしくっ。



 ---



 モルガナさんの"導き"は、


『ほっといても、どちらの問題も近日中に解決』、だそうですよ。



 ……凄いな、問題をふたつ抱えてるって言ってなかったよな、俺。


 脱走勇者も、一目惚れにゃんこも、


 ほっといてもいいってこと、だと思うけど……



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