表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕は王子様に恋をする  作者: はま乃
5/32

作戦2 周りから攻めよう2

 部活が終わって今は20時。俺は何故かオシャレなカフェにいる。制服に着替えたとはいえ、汗の匂いが漂ってる気がする。早く帰って風呂に入りたい。

 「カフェオレ1つ、お待たせしました」

そう言って店員はテーブルにカフェオレの入ったカップを置くと、小さい声で、

 「もうすぐ終わるから、ちょっと待ってて」

といい、戻っていった。藤崎の友達の(たに) 涼太(りょうた)だ。

 放課後、部活に行く前に谷に声をかけた。藤崎と仲良くなるための糸口が見つかる気がしたからだ。

 「谷、ちょっと聞きたいことがあるんだけど、今少しいい?」

 すると谷は少し考えて、

 「ごめん、俺すぐバイトに行かなきゃいけないんだ。もし佐々木くんがいいなら、部活の後に俺のバイト先の店にこない?駅の近くのNagomiってとこなんだけど」

 そして今、俺はここにいる。

 谷のバイトが終わるのを待つと、一緒に駅まで歩いた。

 谷は、無愛想な藤崎とは真逆でいつも笑顔だ。背も藤崎と同じくらいで高く、穏やかな雰囲気でいつも落ち着いていて、きっとモテてると思う。こういう魅力的な人じゃないと、藤崎の友達にはなれないのだろうか。

 最初に口を開いたのは谷だった。

 「待たせてごめんね。で、何を聞きたいの?」

 「いや、俺こそ突然ごめんな。大したことじゃないんだけどさ、、」

 俺は少しためらってから、

 「谷は藤崎とどうやって友達になったのか聞きたくて」

 「望?」

 「うん」

 「ふぅーん。なるほどね」

 そう言ってニコッと笑うと

 「佐々木くん、望のこと好きなんだ」

 「好きぃ?」

 思わず声がうわずった。

 「いや、俺は友達になりたいだけで」

 「あはは。佐々木くんてわかりやすいね。俺は望と友達かって聞かれたら、微妙かも。そこまで仲良くないよ」

 「そうなの?」

 「うん。幼馴染なんだ。3歳の頃から知ってる。それだけ」

 「そうなんだー…」

 幼馴染か。きっと長い時間をかけて信頼できる相手になったから、今でも一緒にいるんだ。俺には真似できないことだ。

 がっかりしていると、

 「佐々木くんってほんとにかわいいね。思ったことが全部顔に出てるよ」

 「か、かわいい?」

 俺はからかわれてるのだろうか。なんだかわからないけど、顔が熱くなる。

 「佐々木くんが良い人そうだから教えるけど、望はやめたほうがいいよ」

 「え?」

 「あいつ、性格歪んでるから。望に惚れると痛い目にあうよ。忠告しておくね。じゃあ俺電車だから。佐々木くんは自転車だよね?駅に停めてる?」

 「お、おう」

 「気をつけて帰ってねー!また明日学校で♪」

 そういうと谷は駅の中に入っていった。

 性格歪んでるって、どういうことだろう。たしかに、あの冷たさは普通じゃない気はするけど。

 やめようと思ってやめられたらどんなにいいことか。恋は盲目、恋は錯覚だという言葉があるように、好きという気持ちは理屈じゃない。頭ではやめようと思っても、やめられないんだ。

 

 次の日の放課後、俺は藤崎と二人、誰もいない教室にいた。

次は望くんが登場します。よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ