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第八話:『どうしてこうなるのか問いただしたい』

「カルネ先生、私の持つ魔法、どういう物なのでしょうか!?」

「ええ…生命魔術だろ…? んで俺の正反対なら…

 んじゃあれやれるか『屍使役(ネクロマンス)』みたいなの」

「『屍使役』カルネ先生の使う死体に魂を込めて扱うアレですか」

「そうそう、ガスト?なんて魔法なの?」

「確か『魂構築(ソウルエミッター)』ってやつ」

「成程、イザナミはそれ詠唱してみろ」

「了解です!『魂構築(ソウルエミッター)』!!」


そう唱えるものの、光は鈍く

纏まりかけて散っていった。


「…うぅ…」

「ふ~む…おいガスト~発動してねぇぞ」

「まだ覚醒してないか、何かしらキッカケが無いと生命魔術は使えんかもしれん

 お前さんは一度殺されてただろ、ああいうキッカケがいる」

「マジか、面倒な条件を…」


俺の場合、死に掛けたことで覚醒したのだが

だとすればイザナミはどういう条件になる…?

生命…命、作る…いや無いだろ流石に。


「むむむ…」

「…………先生」

「ん?どうした?」

「先生は死に掛けて覚醒したそうですね」

「まぁ、そうだな」

「ならば、私も死に瀕することで極限が覗かれるのでは無いかと」

「ゑ?」

「古来より我らの故郷には腹を切る事で覚悟と意志を示す手段があります

 一度…私も覚悟を決めるつもりです」

「待て待て待てどうしてそんなにガンギまってんだお前」

「いざ尋常に…」

「おいコラどうやって治療する気だテメェ!!!」

「レリアなら可能です」

「え??」

「どうか止めないでください、ここで光明を得ねば

 遅かれ早かれ野垂れ死ぬのみ、ならばこそ賭けに出ます!!」


そういって脇差を抜き正座するイザナミ

いやお前ちょっと待て正反対なんだぞお前!!!!!


「まぁ待ちなカルネせんせ」

「いやガストこれシャレになんねぇって!!」

「正反対ってのが単純とも限らんだろ」

「はぁ…?」


「どうか私の覚悟!見届け下さい!」


イザナミは躊躇無く腹に刃を突き立てて

横に切り裂き血を吹いて倒れた。


「だぁー”!!なんて事してんだお前ぇー!!」

「イザナミちゃん!!!!」

「まぁ待て」


ガストはそれでもなお見届けていた

二人の肩を持ち寄るなと言葉は無しに示した。

深紅の血潮は地表に広がっていく

ガストの育てた庭に染み込んで

イザナミは静かに…ならなかった。


「ッガハあっ…う、あ…

 死んでない…のですかこれ」


風前の灯火にも等しかった命が再点火し燃え上がる

その瞬間大地に広がった血は飛散していき

大地に花が咲き乱れていく

生命がいま最高峰を迎えていた。


「マジか…って放心してる場合じゃねぇ!

 イザナミお前大丈夫かよ!!」

「死んではいません…はい」


起き上がらせると、切り裂いたはずの腹は塞がっていて

何の傷も無かったかのようになっていた。

全く滅茶苦茶をするものだ…。


「おお…」(イザナミちゃん、花の中で抱き合ってて…

 なんだかロマンチックだなぁ)

「これで覚醒したようだな、中々よくやるなぁ」


本当に滅茶苦茶だよ、しかし…

確かに正反対だな、とわかった

「先生…私、出来てますか?」

暖かい体、鼓動 "生きた"身体だ

俺は死体だが、こっちは春の伊吹のようだ。


「こりゃ大成功だよ、滅茶苦茶だったけどな」

「これで合わせる顔がやっと出来ました…」


相当疲れたのか、イザナミはそのまま寝やがった

全く…中央組がヤバい連中用なのが

否定しずらくなるぜ。

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