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第七話:『一気に何とか出来る便利な魔法は無いぞ』

ほんの少し前まではなんとかクラスで教室を手に入れて

心機一転頑張りたいと思ったものだが。


「イザナミちゃん…」

「レリアさん…」

西組二人はもうなんかダメそうだし。


「鎧バカの肉体なら参考になりそうだな

 いずれ鎧引っぺがすか」

人形野郎はなんか不穏だし。


「ふん!ふん!」

鎧は一生素振りしてるし。


「ひひ、クラスを追い出して商品は差し押さえ無し

 何考えてるかは知らんが、なんともねぇ…」

商人は怪しい。


「………………どうしたもんか」

さっきから頭を抱えている。


「複数人になることで普通の授業を出来るのですが

 この調子だと厳しい予感が…」

「一回クラス全員と話してみたほうがいいかもですねコレ」

「すいません…」

「まぁ、先生の立場だと動きずらいのは仕方ないですよ」


そう言いつつ周りを見回してみる

まぁ各々何かしら事情はあるだろう

まずはそれを知るしかない。


「どうしてこうなった…」


全く滅茶苦茶な学校生活である。





「とはいっても、まずどこからやるかだな」


出来ればまともそうな所から立て直したい

となると、まずは西組コンビだな

大方中央組に落ちて未来の展望が滅茶苦茶で暗いだけだ。


「とは言え、聖女候補がねぇ…?

 適正魔法もか」


なんとも疑わしいが、取り敢えず行こう。



「…あれ?貴方は…カルネさん?」

「ど、どうもカルネさん…」

「ん、どうも、改めてようこそ中央組に」


ビビられないかと不安はあるが、さっさと馴染んでもらえた方がいいし

変に飾った話し方はしない方が吉だ。


「…すいません、どうしても辛くて」

「まぁ、中央組は絶望だと思うも仕方ねぇな

 でも気にするな、それよりもどう成り上がるかのが重要だっての」

「成り上がる…?」

「あ~、イザナミが適正で、レリアは成績不振だったか」

「そ、そうですね」

「聖女候補として真に申し訳ありません…」

「いや別に、ただまぁ…力が無くて絶望だってんなら」

「…?」

「アテがあるんで、キツイけどやってみないか?」

「…アテ?教師でしょうか?」

「まぁそんなところですな」

「あ、会いたいです!貴方の紹介というのなら…」

「俺の紹介だから…?」

「だってあそこまで暴れてたら噂にもなりますよ」

「あ~…まぁうん、優秀な講師だよ」


なんて話をしては見たものの

そういやガストに対して許可はもらってない

俺は面白いと言ってもらえてるがどうなることやら…。

『可愛い嬢ちゃんは目に良いからな、連れてきな』

げぇーっ!お前聞けるのかよ!!??

『そらそうよ、こちとら賢者ぞ』

まぁ…うん、じゃあ連れてく。



「…その先生、どうしてこんな街中に?」

「まぁ変な人だからね」


中々見えてないのだろう、目の前には

ガストが出してるだろう煌びやかな

[美少女いらっしゃーい]なんて書いてるが

見えてない、隠蔽魔法強すぎだろ。


「コッチだ」

「…壁に埋まってますよ?」

「隠蔽魔法って奴だ、コッチコッチ」


そうして中に入ると柄にもなくガストは洒落こんでるし

…ってかその衣装伝説の奴じゃねーか!?


「あのガストのコスプレしてるのが…?」

「あ~…アレなぁ…」


「ようこそ諸君、シャルベデ・ガストの庭にようこそ」

「………………やばい人では?」

「と、いうかあの衣装は博物館にある筈ですが」

「んなもんレプリカに決まってるぞ、私の服だし」

「カルネさん…」

「だぁーもう!お前疑われてんだからさっさと本人の証明しろや!」

「せっかちさんめ、ほい『臨界世界(オーバーワールド)』」


そう言うと世界が揺らいで瞬く間にガストの魔力に塗り替えられる

有り余る魔力で世界を掌握して自身の望むがままにする

伝説の賢者にのみ許される技だ。


「………………噓でしょう…?」

「にわかに信じがたいが、本当なんですねコレ」

「うん、という事で」

「特別講師たるシャルベデ・ガストだ、お見知りおきを」

「………………」


二人の顔が固まったが

僅かにも希望の火を再点火したらしい

三人生徒が生きてるなら五分だ

そこから一人でも機能すれば問題ないしな。



「お嬢さん、魔法使いが理屈っぽ過ぎるかな」

「そ、そうでしょうか……」


「むむ…レリアは聖女候補として光に長けているからなぁ…

 私も適正あればいいモノを見事に無適正……」

「俺も無適正だぞ、死霊魔術が使えるぐらい」

「はぁ!?闇魔法の申し子と聞いたぞ!?」

「おめぇクラス分け見てねぇの?

 俺適正ねぇから中央送りだぞ」

「私はあの日移動中でな……

 東方は遠いんだ」

「…………ま、良い事教えてやる」

「ん?」

「適正ってのは五属性以外もあるぞ」

「……死霊魔術のようなものか?」

「うん、おーいガスト!」

「あんだい死体野郎」

「コイツってなんか適正ないのか?」

「うん?ちと待ちな

 嬢ちゃんすまないね、少し待っててくれ」


そういってガストがじっくりイザナミを見通すと

何か見えたらしく面白そうな顔をした。


「君はアレだね、生命魔術が向いてる」

「せ、生命魔術……?」

「死体野郎!よかったじゃないかお前にも教えてやれるぞ」

「おおよそ正反対に聞こえるが?」

「正反対は無関係よか似通ってるからな

 和風な嬢ちゃん、今日はそいつが先生だ」

「………カ、カルネ先生…?」

「マジ?」


まーた面倒ごとになって来た。

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